私達、総領は兎角こういった地元の行事に借り出されることが多い。その割合と言ったら重なれば一週間にほとんど自宅で夕食が食べられなくなることもあるのだ。
自治会、地区会、祭り保存会、公民館委員会、消防団。農業であれば地元の花き研究会、そしてその青年部etc・・と
農家ともなれば、「時間の融通が利く」という理由でとても重宝される。
これを読んでいる農家の方々なら皆「うんうん」と頷くであろうが、「融通が利く」ということは「無理が通る」と言うことで、仕事が減っているわけではない。空けた部分の穴埋めはいずれしなくてはならない。
とまあ、ここまでなら唯の愚痴で終わってしまうが、実はそうではない。
正直、面倒臭いがそんなことは出席している皆が思っている。だが意外とこういうのにも出てみるとなかなか面白い。
同じ地元に住んでいる者同士、年齢、職業は違えども話してみていると馬が合ったり、勉強になったりすることが多い。
最近では町内、何処に呑みに行っても誰かに出くわすのが楽しくなってくるくらいだ。
東京で生活していた時にはありえない程、横にも縦にも繋がりがあり、馬鹿馬鹿しいほど人は何かしらの理由をつけて集まりたがる。
風土を愛し土地に根付くということは、その町に住む人々との繋がりを大事にする。ということなのかもしれない。
自分が子供の頃、楽しかったり嬉しかったりした経験を今の子供達にも経験させてあげたい。
我が家の古いアルバムに父の消防団の帽子をかぶり敬礼をする幼い頃の私の写真がある。
その写真を見ると父も祖父も曽祖父もそうやってこの町と人を愛してきたのであろう。と私は思う。そして私もそうでありたい。