花業界の人間であればもちろん、少しでもバラが好きな一般の方まで「イングリッシュローズ」という言葉を知らない方はいないだろう。
釈迦に説法とも思われるが、イングリッシュローズはイギリスのデビット・オースチン氏の育種されたバラのことを指す。
我が家でも彼が世の中に生み出した銘花が2種類ある。「アブラハムダービー」と「ザ・プリンス」だ。
毎日見ているバラ達だが、たまに咲いたところを見ると気品漂う色と咲き方と心奪われる芳香に改めて彼の偉業と天才ぶりに頭が下がる。
かつてエジソンは「天才とは99%の努力と1%の閃きだ。」と曰ったらしいが、自分の人生を100%と仕事に費やしてようやく上記の算式となる。
無論、何かを生み出すということは一朝一夕では出来ぬ事ばかりであり、天才と呼ばれる人がそこまで努力して生み出しているのだ、ましてや私の様な凡小な人間に彼らの様な偉業は達成できないであろう。
と言う訳で天才が生み出したものの様に世界中の人に愛されなくてもいいので、極数人に愛されるバラが作れれば私としては儲け物だ。
そんな中、我が家のオリジナル品種第4弾「スペンド ア ライフタイム」。
「何をするにしても君と人生を費やしたい」と言っているのは「Jamiroquai」。
あま~~い!
って、もう古い!?
2007年11月18日(日)「 遠方に到りて故郷の山雲を想う(後編) 」
大会2日目。朝食をビールで押し流すと早速ホテルを出て産地見学へ。
私が訪れたのは破竹の勢いで業界に名を轟かす「ファインローズ」だ。
整った設備と手入れの行き届いた圃場。床には枯葉一枚落ちておらず、何名ものパートさんが笑顔で迎え入れてくれた。
やはり雪は降らないが寒い山国信州と違い、施設は夏場の暑さ対策のものが多かった。
夏場の野温が20℃を下回らないということと、どの家にもエアコンの室外機が付いている所を見ると「夏場は相当暑いのだろうな」と想った。
そして何と言っても「ファインローズ」と言えば珍しい品種とその種類の多さだ。
圃場の中には未だ発表されていない品種はおろか、名前が決まっていないナンバー品種も数多く植えられており、お花屋さんが見ればよだれを垂らして喜びそうである。
昨日に続いて肝を抜かれっぱなしの私は軽い心労を感じ温室の外へでる。
空を見るとどこにもアルプスはなく、雲の形さえ信州とは違って見えた。
長野ではどこへ行っても山があるから方向を見失わない。
しかし佐賀では右も左もわからなくなるぐらい新技術や手の行き届いた圃場を目の当たりにすると、私は急に長野に帰りたくなった。
そして、またどの生産者にも負けないように仕事をしようと思った。
その手始めとして明日は休肝しよう。
最後に日バラ佐賀支部の皆様、大会執行部、協会役員、そして会の開催にあたり様々な協力をして下さった方々のご尽力に感謝を申し上げます。