びっくりした。
今まで、切花を買いたい。とか、温室を見学したい。という一般の方は何名かいたが、苗を買いたいという方はいなかった。
我が家には苗というものはない。あるとすれば株であり、それは切花生産をする為に半年以上も養成し、その後何年も花を切らせてもらう大事なパートナーである。
「一目惚れ」という言葉に心が揺らいだが、私は他のご依頼同様、丁重にお断りした。
しかし、私は嬉しかった。
電話を切った後、直ぐに家族にその話をした。
「フラジール」は我が家の第一号オリジナル品種で初めは一抹の不安もあった。でも、それがお花屋さんにも認められ、花時間に掲載されるだけでも嬉しいことなのに、読者の方から電話を頂けるとは歓喜の極みだ。
母に至っては「あげればいいのに!」などと無茶なことを言い出す次第だ。(無理です!!)
生産者はクレームの電話が市場から掛かってきても、消費者の方から直接賛辞を頂くことなど滅多に無い。
だから、たまに今日の様なことがあると、とても嬉しく自分の仕事に誇りすら感じる。
お電話頂いた方には苗をお譲りできなかったが、彼の人のおかげで明日も明後日も私は早朝の仕事に目覚める事ができる。
2007年11月8日(木)「 がしんしょうたんのオマケ 」
前々回の「臥薪嘗胆」の巻でたくさんのバラの試験をしていると記した。
咲く時期は基本的にはバラバラなのだが、稀に揃うときがある。