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 夏の到来を予感させる。

 

 我が家の選花・箱詰めをする作業場は、昭和の趣を色濃く残す木造建築で土壁。

 

 お世辞にも立派とは呼べない作りだ。

 

 選花も一昔前までは、機械選花を行っていた。

 

 現在もオーソドックスな品種や花弁が強いものに関しては、機械選花を行っているが、我が家の22品種のうち、18品種が手選花に戻した。

 

 もちろん作業効率は機械の方が圧倒的に早いが、繊細な花弁のバラや切り前が緩いもの(花が咲いた状態で採花したバラ)は、手選花の方が、花が受ける損傷が少なく確実である。

 

 夏を迎え、単価とは裏腹に出荷本数は増える。

 

 手選花での作業速度の遅延で、バラに負荷を与えないために、この度作業場にエアコンを導入してみた。

 

 温室に続き、作業場もエアコンを設置した。

 

 家族が住む母屋には、当たり前のようにエアコンなどない。

 

 バラ様様である。

 

 エアコン導入に伴い、出荷本数を記入する黒板、選花台もリニューアルしてみた。

 

 気持ちを新たに、より品質の高い選花をしていきたいと思う。

 

 祖父は塗り壁に取り付けられた、エアコンを然も不思議そうに眺め、リモコンをいじっている。

 

 祖母は涼しさを確かめに、用もないのに作業場に顔を出す。

彼らが私の年頃には扇風機もなかっただろうに。

 

でも、あんまりウロウロしてると、箱に詰めちまうぞ!!


2008年6月14日(土)「 信濃の国 」 

長野県民の万人が歌うことの出来る歌。それこそが県歌「信濃の国」である。

 

 本州の中央部にあり、南北に長い長野県はその谷、平ごとに独自の文化が確立されており、方言も異なる。

 

 長野県は合衆国のように場所場所で全くと言っていい程統一性がない。

 

 県内では北信、中信、南信と大きく3つに別れ、多少の地域間のいざこざもあるが、それでも県外に一歩足を踏み出せば、誇り高く「信濃の国」を大合唱する。

 

 私は「信濃の国」が大好きである。

 

 その昔、県議会において南北の主張が大きく割れ、長野県分断の危機に至ったという。

 

 その際、信州分断を憂いた民衆が県庁を取り囲み、「信濃の国」を大合唱したという。

 

 民衆の歌声は県議会を揺るがし、今の長野県が保たれている。

 

 私はこの逸話を耳にした時、目頭が熱くなった。というか、何度聞いても泣きそうである。

 

 それでは歌詞を読んで頂きたい。

信濃の国は十州に 境連ぬる国にして
そびゆる山はいや高く 流るる川はいや遠し
松本 伊那 佐久 善光寺 四つの平は肥沃の地
海こそなけれもの沢に 万足らわぬ事ぞなき 

四方にそびゆる山々は 御嶽 乗鞍 駒ヶ岳
浅間はことに活火山 いずれも国の鎮めなり
流れ淀まず行く水は 北に犀川 千曲川
南に木曽川 天竜川 これまた国の固めなり

 6番まである歌の2番までを抜粋したが、各名所、名山、清流、偉人を余すことなく伝えている。

 

 山を愛し、川を愛し、土地を愛し、先人を尊び、誇り高き「信濃の国」を歌う民こそが信州人であり家族である。仲間である。

 

 我が家の「Music」のページにも「信濃の国」をアップしたので、あなたも覚えよう!

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