代表の角さんとは、世田谷花き市場で働いていた時から、花の事を教えて頂いたり、お店を見学させて頂いたりと、折に触れ良くして頂いた。
会場は六本木ということもあって、若干緊張したが、モダンな吹き抜けの会場に、色とりどりの洗練された花が飾られていた。
スタッフの方は、右肩の後ろに「マチルダ」のロゴマークであろう、クローバーをあしらったカーディガンと真紅のエプロンをお揃いで着用していて、ニコニコと親切に接客してくれた。
大人びたトーンの部屋の中に、スポットライトを浴びたアレンジメントがとても綺麗だった。
開演とともに、社史や店舗のコンセプトを司会の方が披露されていた。
どうやら私が入場時に感じた様に、「フラワーヘブン」の特色としては、鮮明な色の花を使われる様だ。
「くすみ」が売りの堀木園芸には、不向きな様な気がした。
とはいえ、終始感嘆しながら、目の前に披露される「フラワーヘブン」スタイルのデザインを拝見していた。
すると一人の女性スタッフの方が、
「マチルダ」は鮮やかな色合いの花が多いですが、こういう淡い色のデザインも提案しております。」
と手にしているブーケには、我が家のオリエンタルキュリオーサとロマンティックキュリオーサが。
手元を放れた娘達が、東京で一人前に活躍しているのを見ると、何やら胸が熱くなる。
それでも昔と違い、遠出が億劫になってくる。
家にこもり、食欲の秋を満喫し、更に忘年会シーズンを迎える。
まさに出不(デブ)精である。
2008年11月26日(水)「 北風小僧 」
11月も下旬に差し掛かり、初雪が降った信州は、紅葉を賑わす山と白雪を冠する山脈の対比が四季の移り変わりを印象付ける。
日も4時半にもなれば、山火事の様に西の山々を茜色に染める。
日の出の前に仕事を始め、日暮れと共に仕事を終える農家にとっては、仕事の時間が限られ、忙しなくなる季節だ。
先日、仕事を終え帰路に付くと、いつもは狭い道いっぱいに横並びになって、楽しそうに学校から帰る子供たちが、行進の様に縦一列になって歩いているのが見えた。
どうやら風が強いらしい。
幼い頃から常々思っていた事だが、我が町、松川町の冬は、朝は北風が吹き、夕は南風が吹く。
南風と言っても、暖かいわけでもなく冬の凍てつく風だ。
私の様に、学校より南側に住む子供たちにすれば、試練である。
登校時は真正面から凍えた北風に阻まれ、下校時は凍てつく南風を顔面に受ける。
よく見ると、先頭を歩いている少年は、後ろの子供たちより体が一回り大きい。
「ドラえもん」で言えば「ジャイアン」的な感じの子も、こんな時は役に立つ。
「役割」というものは、他者が存在する限り如何なる状態においても、成立する。
我が家のバラも高冷地という役割があり、初夏から晩秋にかけて、高品質のバラを大量に供給しなくてはならない。
「大量」という点では、今一つ力及ばずであったが、そろそろ植え替えや、土耕栽培のバラにおいては、剪定の準備の為、徐々に暖房の温度を落として行き、高冷地の役割を終える。
もちろん、水耕栽培の品種は冬場も出荷はあるし、12月中旬までは、土耕のバラも出荷はするが、今後益々我が家の出荷量は減るであろう。