「ゴトギ」とは「仕事着」の事である。作業性にかけるか、お洒落にかけるか、人からの印象を良くするのにかけるか、力の掛けどころは様々であるが、働く男というのは「ゴトギ」が一番カッコ良くなければいけない。
「カッコいい」というのは、男にとっては老若関係なく最高の褒め言葉である。
その点で行くとバラ屋のオヤジはいつ何時でもカッコいい。
棘に育まれた無骨な手、太陽光に焼かれた琥珀色の目と褐色の肌、正に鎧だ。
多少の鼻毛などポケットチーフみたいなものだ。
群馬の田村さんはいつ見ても迷彩服だ。高品質なバラとバリエーション豊かな迷彩服。ITヒルズ族のブランドスーツなど霞んで見える。
とはいえ、若輩者の私はちょっと恥ずかしいのでせめて髭を剃り、新しい靴を買ってもらおう。