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 影響というものは必ず、末端から現れるものだ。

 

 政府は漁業者に燃料の補助をするだろう。

 

 国の生産業を守るのは、国の礎を守っている様なもので、大変重要である。

 

 しかしながら、私は化石燃料に明るい未来が見えない。

 

 滴り落ちる多量の出血に絆創膏では間に合うまい。

 

 しがみ付いて地獄の底まで行くか、新たな資源を求め地獄に踏み出すか。

 

 今はまさに分岐点であろう。

 

 我が家では、夏場の品質向上の為、夜間冷房を始めた。

 

 夜間に温室を締め切る為、害虫の侵入も防げるだろう。

 

 しかし、高級品の化石燃料が燃えて生み出した電気を喰い、勢い良く動くエアコンに、私自身もジレンマを感じて已まない。


2008年7月29日(火)「 魔の山間部 」 

 かつて鎌倉時代においては、武家だった堀木家も安土桃山時代に敗走し、今となってはエリート農家になってしまった。

 

 農家というのは、毎日農作物の状態を注意深く観察しなくてはならない。

 

 よって観察眼が次第に養われていく。

 

 先日、お花屋さんが見学に来られた。

 

 東京の「花遊」のデザイナーの相澤さんと社長さんとスタッフの方だ。

 

 中央道、高井戸ICから松川ICまで3時間(私であれば2時間強、父であれば1時間50分。)の道のりをお越し頂いた割には、瑣末な圃場とバラしかないのだが、大変嬉しい限りである。

 

 そして、今回の訪問と歴訪された方々を観察していて、私は一つの説を導き出した。

 

 本当に花好きな人は、温室を見学している内に、栽培ベッドの奥の方まで、ガンガン入って行く。

 

 例え、おしゃれな格好をしていようが、背広であろうが、バラの棘に阻まれようが、お構いなしだ。

 

 奥地に入って、バラを見ては写真を撮り、葉や棘の様子を観察している。

 

 しかも出てこない。

 

 数人で来ていれば、開花しているバラを見つけては、お連れ様を呼ぶ。

 

 掃除が行き届いてなかったり、目に見える病気などが発生していないか、こっちは冷や冷やものだが、我が家のバラを見て喜んで頂ければ、こちらとしても嬉しくなる。

 

 そういう情熱のある方に、我が家のバラを手掛けて頂けるかと思うと、安心して手塩にかけた娘達を嫁がせることが出来ると言うものだ。

 

 言うまでも無く、魅力的なバラを作っていなくては、お客様を温室の奥に惹き込む事も出来ないであろう。

 

 今後も多くのお客様を、温室奥部に惹き込める様に努めたい。

 

 遭難者続出で「バミューダ・トライアングルの堀木」と異名が付けば、武士だった御先祖様も満足なさるだろう。

 

*飛び込みや一般の方の来園はお断り致します。

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