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 例年この時期は、出荷量が著しく減退する。

 

 悪天候と低温にも起因するが、病気等により規格外が出ることが、間々ある。

 

 補助暖房として設置した、我が家のヒートポンプの真価は実のところ、この時期の除湿にある。

 

 バラは湿度に弱く、温度管理よりも湿度管理が品質の優劣を決める。

 

 県下で初のヒートポンプ導入にあたり、長野県農業普及所や農業試験所、中部電力の協力の下、実地試験が行われる至りとなった。

 

 病害の発生の程度や電力使用量、重油使用量、品質向上の有無を調査する。

 

 いい調査結果が出れば、県内にもヒートポンプを導入する農家が増えるだろう。我が家も一温室だけでなく他の温室にも設置を見込んでいる。

 

 先駆けて何かをするのには、勇気がいる。目前の暗闇の中を全力疾走するようなものだ。

 

 その先に待つのは、栄光か壁か。

 

 踏み出した者だけにしか、味わえない勝利もあろう。

 

 万人が成功するとは限らないが、

 

梅雨を越えれば、いつも光り輝く夏が待っている。





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