堀木園芸のバラ 本文へジャンプ

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2012年3月10(土)

 新月 曇天 帰り道 


 本当に迷惑な話だが、最近はブログやらツイッターなど自分のライフスタイルを公表したい方が多く、それは一向に構わないのだが、それに伴いやたら写真を撮りたがる。

 

 写真嫌いの私にとっては、レンズ向けられるとお返しに殺意を向けたくなる。

 

 しかし、どうしてこんなに写真嫌いなのだろうと考えてみると、撮られるのが嫌いというより、写真に写った自分と対面するのが、嫌いなのかもしれない。


「うろんぽ」という言葉をご存じだろうか?

もちろん知る由もない。というのも信州の方言だからだ。

意味は、なかなか説明しづらいが、木は外側の樹皮側は新しく芯の部分は古い。その芯の部分が腐り抜け、空洞化してしまった木のことを「うろんぽ」と我が故郷では呼ぶのだ。

こんなことを論ずるのは大層おこがましいが、最近の花業界は新芽の成長が素晴らしいと感じる。

私などは芽吹きにも至っていないが、私とさほど年齢の変わらない世代、つまりバブルの恩恵を直に感じていない世代が不毛なこのご時世に粛々と育っている。

私の様な「腐れ悲観野郎」からすれば花業界はどう見ても右肩下がりはやむを得ないが、花業界に携わり、その可能性に夢を、いや現実性を思い描く同世代と最近よく会う。

 ところが、時代の変化に対応できない老木が成長の妨げをする部分がちらほら見える。

 

先人の腐った固定概念が未来を空洞化させる。

しかし表皮は、次世代、また次世代と新たな時代の風を乗り越えて大きな枝となる。

「うろんぽ」になるか、大木を支えた「年輪」の一部になるか。

「今」主力で生きている方々には、今一度熟考して頂きたいものだ。

この時代の新芽は後30年この世界で食っていくのだから。

 

「お前だよ!そこのお前!!」

 

と写真に写る若かりし私が問いかける。





2012年2月20(月)

 Don’t  Lock  Back 


 アルカリ電池とマンガン電池の利用方法をご存じだろうか?

 

 アルカリ電池は大きな電流を最後まで流し続ける事が出来るが価格が高い。マンガン電池は微量な電流を時々使う、ゆっくり使うのに向いていて価格が安いということだ。

 

 2つしか種類がなくても、きちんと内容を知っていないと、良い選択をできない。

 

 ここ最近の温室でのお仕事は、「芽整理」である。

 

 剪定したバラの先端から、火が灯るように赤い芽が吹いている。

 

 生命の息吹を感じるが、全ての芽を残しておくといいバラに育たないので、一本に1つや2つ残して後は取ってしまう。

 

 指でちょこんと擦ると簡単にポロっと落ちてしまうので、一つ一つの作業は簡単だが、その残す芽を瞬間瞬間で選ぶのが、難儀でたまに「しまった!」と思うことがある。

 

 しかし、もう落ちた芽が戻ることはない。

 

 カードをどう切るか?

 

 人生はその連続である。

 

 今年は何やら私の友人の結婚ラッシュで、もう判明しているだけでも5件はめでたいことが続く。

 

 結婚は人生の勝負では天王山のような気がする。

 

 ビッグカードを切った友人たちに賞賛と敬意を表したいものだ。

 

 低温の温室で、ゆっくり育つ我が家の新芽。

 

 雪でも降れば、温室と言えど、座りっぱなしで仕事をする身が凍える。

 

 作業場に戻って暖を取っていると、灯油ストーブの着火用の電池に高級アルカリ電池の「エボルタ」が・・・・。

 

 こんな選択は宝の持ち腐れである。






2012年2月17(金)

 心の餓え 


 ゴリッと思い切り口の中を噛んでしまうことはないだろうか?

 

 自分の内頬や舌を噛むと痛みもそうだが、生物の一個体として自分で顎を動かしておいて己を噛むという自傷行為に何やら虚しさを感じざるを得ない。

 

 しかも私はその傷口が必ず口内炎になってしまい、暫く沁みるという2次被害まで招いてしまう。

 

 唇をひっくり返しながら鏡を見て、得も言われぬ嫌な気分にさせられる。

 

 最近の堀木園芸の仕事はのんびりしている。

 

 朝夕の花切りは物の30分で終わってしまうし、選花2時間、箱詰め30分で通常業務は終わってしまう。

 

 パートに来ている母の妹である私の叔母に脇芽かきをまかせて、父は今年の秋分の肥料の調合に、母は敷いたばかりの麦わらから、ゆらゆらりと生える新芽をまったり抜いている。

 

 私はと言えば、選花・出荷を終えると、山師に衣替えして、暖を取る用の薪を拵える。

 

 手に入れた木をチェーンソーで切り、薪割をして薪小屋に収める。

 

 今年の冬に作った薪が、陽の目・・・いや「火の目」を見るのは5年後であろう。

 

 お気に入りのマグカップにコーヒーをたんまり入れて、好きな音楽を聴きながら、薪を切っては運び、割っては運ぶ。

 

 滴る汗から湯気が立ち上る。

 

 こういう仕事も立派な農家の仕事の一部である。

 

 しかし、何か足りていない・・・。もっと燃えるような、空腹に耐え、頭をフル回転させながら限界ギリギリまで一日働く、そんな日々が何故か恋しい。

 

 まぁ、今はバラの成長をじっと待ちながら、来たる繁忙期に向けて不足感を貯めておこう。

 

 それに私に今一番不足しているのは、おそらくビタミンであろう。




2012年2月14(火)

 後の祭り 




* 今回の文章には特定の言葉が何度も使われているので、省略の為に「☆」を使用します。

☆がある個所は必ず「もちろん私もその一人である。」をつけて、お読みください。

 

前回の新年会の続きになってしまうが、慰労を兼ねて数人で飲みに行った。

 

同じ副会長の青木君はもとより、生産者・仲卸・市場とごちゃ混ぜだったが、私と青木君はすこぶる疲弊していた。

 

少し場が温まってくると、私も初めて会う世田谷花きのニューカマー「邉見(へんみ)君」に注目が集まった。

 

なんと彼は平成2年生まれの21歳だというではないか。

 

この業界に足を入れて10年も経てば、さすがに一回り近く歳の離れた業界関係者と酒席が一緒になることもあるようだ。

 

当然の様にそうなってくると、加齢臭漂うOver30の連中は、まだ若草の薫り漂う彼をいじりたがる。☆

 

途中、「これだから、ゆとり世代は!」的な話になって、私が反論した。

 

いやいや、その世代だからって十把一絡げにしてはいけないよ。昭和生まれでも使えない奴は掃いて捨てきれないほどいる。☆

 

それに「ゆとり教育」は彼らが望んでそうなったわけではなく、当時の大人たちにその責任がのしかかるのであればともかく、彼らが責めを負ういわれはない。

 

しかも、二十歳そこそこの奴など、酒席に慣れているはずもなく、いつの時代もたいていボンクラばかりである。☆

 

そうなのに加齢臭の民は、いじりたくてしょうがない。☆

 

まぁ、なかなか最近は優しい子が多いから、若い子はおっさんと酒を飲んでくれない。

だから嬉しくなっちゃうおっさんの気持ちもわかる。☆ そしてそんな席に乗り込んでくる彼も近頃では珍しく根性のある奴だ。

 

年下は酒席で、何かと気を遣わなくてはならないことが多くて大変だ。

 

もちろん昔の私も・・・・あっ・・気なんか遣ったことなかった・・・。



2012年2月5(日)

 you and me 


 中国人を嫌いな日本人は多いが、私は特にどの中国人とも係ったことがないので、好きでも嫌いでもない。

 

 でも一つだけ言えることは、中国文化は尊敬に値する。

 

 中でも食、そのさらに中でも餃子は最高に美味い。

 

 

 今年も世田谷市場の買参人組合・仲卸組合・生産者組合の共催で合同新年会が行われた。

 

 総勢300名弱方々が集まって東京恵比寿にあるウェスティンホテルで大宴会を催した。

 

 今回は瀟洒なホテルでの開催となったので、ドレスコードを設けて全員花を身に着ける事を義務づけた。

 

 「義務付けた」と上から目線なのは、実は今回は3組合の中でも生産者組合が幹事の年で、副会長という立場上、私も微力ながら携わった。

 

 入場される方々は、みな思い思いの装花を身にまとっている。

 

 工夫を凝らしてまるで妖精の様な若い女性、日本の美と花との調和が艶やかな着物姿のご婦人、自らの生産物を誇らしげに胸に飾る農紳士。

 

 まれには、センスねぇなー・・という人もいたが、そういう方は多分自分でも「しまったもっと力入れてくれば良かった・・」とお悔みになったであろう。

 

 そうであっても、花を身に着けた人々が、次々に会場入りするのを見ている他のホテル利用者はどう思われたであろう。

 

 自画自賛かもしれないが、なかなかいい新年会になったと思うし、開催にあたり協力してくれた関係各所、皆様に心から感謝したい。

 

 ところで、餃子で有名な「餃子の王将」の社長は後進の育成にとても熱心な人で、あそこまでのチェーン店になったという。

 

そんな王将の社長のモットーは「説教の長さは、餃子が焼けるまで」らしい。

 

部下を叱る時も要点を簡潔に指導し、だらだら怒らないのが決め手だという。

 

そういう点では、新年会の乾杯前の挨拶なんかは、餃子まるこげである。

 

中国にあやまれ!






2012年1月30(月)

 留まっても 踏み外しても 人の道 


 私の数少ない親友の一人に、やたら毛深い奴がいる。

 

 もう10年来の付き合いになるが、歳を重ねる毎に毛深くなっていく気がするので、男性ホルモンは年齢と共に増えていくのかなぁ。と邪推する。

 

 朝晩と花切りは欠かさないとはいえ、全然花は咲かず、温室に吹く一陣の風の如く、ただ通路を闊歩するだけで、花切り作業が終了してしまう日々が続く。

 

 しかし、今私は「取りに、取まくっている」ものがある。

 

 草である。

 

 例年お伝えしているが、我が家は土耕の畝間(定植されていない所)に麦わらを敷き詰める。

 

 優良な細菌や酵母の温床になり、雑草防除、土壌保湿に役立ち、一年中ふわふわの土が出来る。

 

 しかし唯一の欠点が、敷き終わった1カ月以内に麦わらの中にいる小麦が芽吹いてくる。

 

 簡単に引き抜けるし、2回りほど抜いてしまえば、その後はほとんど生えてこない。

 

 そうであっても「バラ園?それとも麦畑?」と悩んでしまうほど、素晴らしい生育を見せる。

 

 しかも、みっっちり生えてやがるから、なかなか作業が進まない。

 

 手袋をはめると抜きづらいので、素手でこなすのだが、株間に生えている麦には慎重に抜かないと、私の愛らしい手が八つ裂きになってしまう。

 

 たまに私の傷ついた手を見た方が、「猫?」などと質問してくるが、「おれの手はマタタビか!?」と心で突っ込んで、真白な視線だけを優しく投げかける。

 

 友人と泊りで出かけると、「バーバリバリバリー!」と芝刈りにも似た、電動シェイバーの音で、朝の訪れを感じさせてくれる。

 

 草取りの大変さを思うと、ムダ毛のお手入れもさぞ日夜心労をかけているのだろうと思うと、もう体毛の事で彼をイジるのはやめようかと、慈しみの心が芽生えてくる。

 

 それに、もうそのネタも飽きたしね。

   


2012年1月24(火)

 You are part of me 


 父も私も大飯喰らいの酒飲みであるが、さほど太ってはいない。

 

 まぁ、仕事をしている事と体質、肥えることを善しとしない性分もあるかもしれないが、一端に「体温が高い」というのもあるかもしれない。

 

 二人とも暑がりで普段から薄着、家の中ではほとんど裸族に近いし、汗っかきである。

 

 そんな暑がりだから私は、時折寒い日でも裸で寝ているため、腹を冷やして、お腹を壊すことがある。

 

 最近父はすこぶる自然由来の肥料にこだわっている。

 

 牛の尿を酵素で発酵させたものをろ過して、葉面散布してみたり、酵素をふんだんに使って育てたキノコの石づきと培地を大量に仕入れてきて、再発酵させて土耕の温室に撒いたりしている。

 

 眉唾ものかと思ってみれば、昨年の出荷データを見てみると、採花本数が増えていることがわかる。

 

 しかも、もう3年~5年使用した古株が、採花本数を増やしているのだから、酵素のパワーはすごいのだと感心してしまう。

 

 では「酵素って一体何?」と調べ出すと、酵素と言っても一つの物質を指すわけでなく、沢山の酵素が存在し、総称を酵素と括っているだけに過ぎない。

 

 やけに難しいなー。と嫌になってしまうが、とどのつまり酵母が生成したものが酵素であるということははっきりしていて、そうなると、醤油、味噌、納豆、酒類とかなり身近になってくる。

 

 そして生物が生命活動をするには、酵素は欠かせない存在であることがわかってくる。

 

 実際、人間の体内にも「消化酵素」と「代謝酵素」と大きく分けて2つあり、私を形作ってくれる訳だ。

 

 腹を出して寝ていると、体温が低下し、消化酵素の働きが悪くなる。

 

 故に消化が悪くなり、お腹を壊してしまう訳だ。

 

 ああ、酵素の勉強の為に、体をはってトイレに籠る。

 

 勉(便)学とは大変な事だ。

  




2012年1月11(水)

 せめて写真の一枚でもあれば 







 日本人男性の平均身長が172㎝だというのだから、私はそれより幾分背は高い。

 

 デカいというのは他者からすれば良い様に思われるのかもしれないが、そんなに感じるほど特典は少ない。

 

 自分がでかい分、周りの物は小さく感じるし、乗り物はとにかく狭い。遠く・高く手が届くが、頭をぶつける事もしばしば、隠密行動も取り辛いので、さぼり・居眠りもばれやすい。

 

 もう終わってしまったようだが、最高級宝石ブランドの「ハリー・ウィンストン」と花嫁のバイブル「25ansウェディング」の連動企画で、表参道駅構内と地下鉄六本木駅に巨大ポスターが張り出されていた。

 

 画像を見てびっくり!!

 

 なんだ!こ・・・これは!・・・・・このモデルさん超カワイイ☆

 

 じゃなかった!このバラは、我が家の「スペンドアライフタイム」じゃないか!

 

 信州の山奥で育ったバラが、シンデレラストーリーよろしく成り上がり、本物のシンデレラと一緒にポスターに移りこんでいる。

 

 何ともヴァージンロードを歩く、娘の姿を見るようである。

 

 遠くに行ってしまったような、それでもとても嬉しい気分。

 

 自分だけが「いいバラだなぁ」と思い育てていたものが、たくさんの人に愛されるって、バラ生産者の最大の喜びだと思う。

 

 特大のポスターを見て、最大の喜びを感じる。

 

 たまにしかないデカい奴への特典は、なかなかデカい。

 

 



2012年1月6(金)

 Fearless 







 「明けましておめでとうございます」もこの時期になってしまうと、「明けました。おめでとうございます」の方がいいのだろか?と考えてしまう。

 

 今年の目標を立てようと、各種四字熟語や諺を思い浮かべてみる。

 

 しかし、昨年は日本史に残る激動の年であった。

 

 自分史にも残る変化もあったので、年賀状の発送を見送った。

 

 送って頂いた方には申し訳ないが、また別の形で挨拶に代えさせて頂こう。

 

 新年の堀木園芸は、バラもほとんどないので、温室の補修や掃除、青色申告に向けての領収書の整理、昨年の販売分析、たまにバラの手入れと、正月2日から仕事はしているが、何やらまったりムードが漂う。

 

 私自身は、年末30日まで続けた怒涛の植替え・選定作業のせいで膝は痛いし、薪ストーブ用の薪の運搬を頑張りすぎて、背中に激痛を抱えている。

 

 新春から幸先が悪い。

 

 まぁ、仕事も少ないし、のんびりやるか。と良い音楽を聴きながらコーヒーをずずずーっ。

 

 いやいやそんなことしている暇はない!

 

 やる事は文字通り山積みで、本当に山になっている。

 

 さっさとやらなければ、また忙しい3月になってしまう。

 

 膝と背中からは、悲痛な叫び声が聞こえてくる。

 

 そこで今年の目標は「目には目を 歯には歯を」

 

 この原理で行けば、関節を食べれば、関節に効くということだから、豚足でも食べよう。



2011年12月23(金)

 我想フ 故ニ我有リ 


以前、芸人さんでi-podの操作音の「カリカリ」が好きでたまらない。という人がいた。

 

 何となく共感できるのが、私もヘッドフォンをしてPCで音楽を聴いていて、音楽を止めた時にかすかに聴こえるPCのモーター音をしばらく聴いていることがある。

 

 音とも呼べない、あの川の流れの様な音に、心安らいでしまう。

 

 普段は気にも留めないが、心を静めて耳を澄ますと、色々な音に包まれて私たちは生きている。

 

 今、一部のお花屋さん、生産者、苗屋さん、市場、そしてフランスのオールドローズ協会が協力している企画がある。

 

 それは東日本大震災に心を痛めた、フランスオールドローズ協会の提案で一つの品種を日本で販売し、収益を寄付しようというものだ。

 

 世田谷区のお花屋さん「アリエール クール」の森さんが発起人だが、私も微力ながら協力している。

 

 バラの名前は「 絆 」。

 

 優しい黄色のロゼット咲きのバラ。

 

 現在、堀木園芸で穂木を増殖中で、ゆくゆくは全国に販売が始まる。

 

出回りの際には是非手に取って欲しい。

 

 「絆」が、被災した人々と、復興を願う人々と、海を越えて友情を示してくれた人々の文字通り絆の懸け橋になれば嬉しい。

 

 あの陸前髙田の奇跡の一本松が枯れていっているらしい。

 

 復興のシンボルとして、松の死を嘆く人が多いと聞くが、一条の勇気を松は我々に与え、そして力強く復興をしていく人々を確かめて、仲間の松と共に生をまっとうする。

 

 そして奇跡の一本松の挿し木が、大きくなっていると聞く。

 

 大自然の前に、生命はとてももろい。

 

 しかし、何度でも何度でも繰り返す命が、今静かに呼吸をしている。





2011年12月13日(水)

 後頭部の目 


 日本人の柔軟さにはつくづく頭が下がる。

 

 別にバカにしているわけではないが、信州にも「よさこいソーラン節」を踊るサークルがたくさんあるらしい。

 

 海無し県で「ソーラン節」とは、これ如何に!?と思うが、祭りというものは、とにかく楽しければ、まぁ大目に見られてしまう。

 

 先日、堀木園芸の冬季の生産計画を記したが、追加がある。

 

 水耕栽培の温室なのだが、大幅にする為、父と相談して「暖房費がもったいない!」という理由で、休ませることにした。

 

 ということで、追加の休眠品種は以下の通り、

オレンジジュース!

カスタードパイ

ジプシーキュリオーサ

プリンセスオブウェールズ

フラジールである。

 

 5つある温室の3つを休眠かけてしまうと、はっきり言って1、2月はやることがない。

 

 まあ、その後始まる過酷な日々に備え、体力の温存と死ぬほどたまっている事務仕事でもしようかと思う。

 

 スーパーロングバケーションを頂くが、そこは年中無休で働いているのだから、大目に見て頂きたい。

 

 でも3月にはすっかり忘れ去られてしまいそうで、少し怖い気がする。

 

 「怖い」お祭りといえば、スペインの「牛追い祭」だ。

 

 あの巨体に追い掛け回されたら、さぞアドレナリンが出るのだろうと思う。

 

 あれ?・・・・・でもあの祭りって「牛追われ祭」じゃない??



2011年12月12日(火)

 来るものを拒み 去る者は追わず、そして何も残らない


 男児30歳を過ぎると、20代の事の時の様な青年の輝きの様なものは失せてくる。

 

 最近では、白髪も増えてくるし、豊齢線もくっきり出てきた。

 

 まぁ、女性ほどは気にしないにしても、多少なりとも目が行く。

 

 外観がこうなってくると、やはり内面くらいは上等でないと、人としての価値が下がってくるので、一考してみた。

 

 大人の男の美学とはなんぞや。

 

 案外、簡単に出てきた答えは「いさぎよさ」である。

 

 所詮失われていく「若さ」とは、裏腹に降り積もっていく「経験」。

 

 しかし「経験」とは過去の産物であるがために、過去に執着しがちである。

 

 つまりが、おっさんの昔話や武勇伝、自慢話というものは、過去への執着の副産物みたいなものだ。

 

 先日、ブログにも記したが、25anウェディング編集部での緊迫の会談を、誌面にして頂いた。

 

 私のくだらないよもやま話が、果たして意味を成したのだろうかと一抹の不安を抱えていたが、家宝もののページにして頂いた。

 

 早速、家族に読ませ、友人、知人にも紹介する。

 

 お世話になった人などにも、見せたいと思い書店へ出向くが、毎度の事ながら「女性誌」とかかれた看板の下に、でかい男が歩みを進めるには気苦労が多い。

 

 他のお客さんの好奇な目に晒されるのみならず、私の様なおっさんが手に取ることで「25ansウェディング」に悪影響が出るのではないかと、心配になる。

 

 そこで先ほどの「潔さ」が役に立つ。

 

 書店の入り口から一陣の風の如く颯爽と現れ、まるでビジネス書でも物色するが如く女性誌ゾーンに行き、コーヒーをテイクアウトするが如くレジの店員の軽い挨拶を交わして店を出る。

 

 無事、車へ戻ると達成感と若干の疲労感。

 

 壮年への道はなかなか険しい。




2011年12月5日(月)

覚悟していた別れが訪れて、それでも耐えられなければ、どう対処すればいいのか


 世の中どうしても「ランニングコスト」というものが、必要になる。

 

 車を買えば、各種税金、車検、ガソリン&整備費。

 

 家を買えば、固定資産税。

 

 どんなに「イニシャルコスト」をかけても、大抵のものは維持管理に金がかかる。

 

 高冷地の生産者は、冬越しするのに500万円ほどかかる。

 

 ある人に「500万も(重油を)焚いてしまうなら、何もしないで冬中寝てたほうがいい。」と言われたことがある。

 

 「なるほど!」と思ったが、何もしなくても300万くらいはかかる。

 

 「経費削減!」というわけではないが、毎年の事なので今年も土耕栽培の品種の選定作業に入る。

 

 来週から暖房温度を落とし始めるので、出荷も大幅に減る。

 

 休眠品種は

ティネケ

アブラハムダービー

ベンデラ

オリエンタルキュリオーサ

レディチャペル

ワンダーウォール

バイアモーメント

イントゥ―リーグ

ザ・プリンス

である。

 

 期間は「NEWS」のページに詳細記入してあるので、ご覧になって頂きたい。

 

 今年も残り1ヶ月弱。

 

 今年はかなり難易度の高いランニングの一年だったので、ラストスパートのつもりで頑張りたい。





2011年11月10日(木)

「 Time trip without moving  


 もうはっきり言ってしまうと、私はAKB48が好きである。

 

 といっても勘違いされては困るのが「前田さんがかわいい」とか「大島さんがいい」といった類のものではない。

 

 簡単に言うと存在がいい。

 

 というか一押しは「秋元」さんだ。

 

 「秋元才加」さんではない、「秋元康」さんだ。

 

 秋元さんといえば、昭和の歌姫「美空ひばり」さんの「川の流れのように」の作詞、とんねるずさんの番組の人気コーナー「食わず嫌い王」の発案、「おにゃんこクラブ」のプロデュース、著書もたくさんある。

 

 「農家は自らマーケティング」を叫ばれて久しい。

 

 「経営学の父」と称される「ピーター・F・ドラッカー」の「マネジメント」が、話題を呼んでいる。

 

話題の突端となった「もし野球部のマネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」の著者「岩崎夏海」さんは放送作家で、秋元康さんの下で働かれていたそうだ。

 

前項の著書のあとがきで、岩崎さんはドラッカー氏と秋元さんに敬意と感謝の言葉を述べている。

 

ところが、その二人の思想には対局な部分が見られる。

 

ドラッカー氏は、「マネジメントというものは、社会にどういう立場で、自分や会社が必要とされているか察知し、常に更新的に要求に答えなくてはならない。」というよなことを言っている。

 

しかし秋元さんは、あるパネルディスカッションにて「止まっている時計でも、1日のうち2回は時間があっている。大衆の趣向を探るより、自分が楽しいと思うことをやらなくてはいけない。」といっている。

 

常に先読みし、正確な時刻に補正し続ける時計。

 

静止しているが故に、日に2回確実に正確な時刻になる時計。

 

この二つに、商売の真髄を垣間見た気がした。

 

そして確証があるのは「常に遅れ続ける時計」ほど不必要なものはないということ。

 

時代に合わせるのか、時代が合うのか、どちらであってもFlying Getしなくては他者を出し抜けない。




2011年11月3日(水)

「 雨音は骨伝導で  


 先日、また世田谷市場で会議があった。

 

 飽きた。

 

 だからそれについては書かない。

 

 その後、夜9時から別件かつ新鮮な事があった。

 

 ここ数年、我が家のバラを掲載して頂いているハースト婦人画報社の「25ans ウェディング」の編集部にお邪魔した。

 

 (というか、私のブログでこんな事書いていいのだろうか?)

 

 「プアラニ」の染谷さんに連れて行って頂いたのだが、私は何やら緊張でおなかが痛くなり、車の中でずっとおなかをさすっていた。

 

 明治神宮外苑にある瀟洒(しょうしゃ)なビルからは、明らかにお洒落な人がわさわさ出入りしていて、これまた素敵な会議室に案内されると、1㎝位は宙に浮いているんじゃないかと思うほど、浮足立ってしまった。

 

 編集部の方々がたくさんお見えになって、次々と名刺交換をする。

 

 編集者の方が、我が家のバラを何やらとても褒めて下さるので、緊張が一周して私の思考は新たな境地に達した。

 

 (はは~ん。これはあれだな? うわさに聞くやつか? 帰り際に高額請求されるやつか?)

 

 浮足立った私は、おかしな形で不時着してしまったが、そんな事は毛頭無く、たどたどしい私の話を、終始優しく真剣に聞いて下さった。

 

 私も話すだけでなく、染谷さんや編集部の粕井さん、三浦さんの話を新鮮な心持で聞いていた。

 

 花や撮影時の話をしているお三方は、楽しそうで目がキラキラしていて、少女の様だ。

 

 こんなに楽しそうに花の話をする人たちに、文字通り彩を添えられるようなバラが作りたいと思った。

 

 会談の後はずっと我慢していてくれた私の胃に、ご褒美にとカースルバーグとシャルドネを流し込む。

 

 ホテルに戻り、一息つくとあんまり記憶がない。

 

 もしかしたら白昼夢だったのか?

 

 いやいや、あの胃の痛みは間違いなく現実であろう・・・・・。




2011年10月25日(火)

「 君の名は  


 この世のすべてに名前が存在する。

 

 親は子に祈りと願いを込め、名を授け、様々な物体は自らの出生の証に名を持つ。

 

 日本語には多くの1人称、2人称がある。

 

 私、僕、俺、あなた、君、お前。

 

 我が家のお得意様である「Wiz(ウィズ)」が、社名を変更した。

 

 新名称は「Qcafs

 

 「キューカフス」となった社名の意味は、トップページにリンクを貼っておくので、Qのサイトでご覧になって頂きたい。

 

 新名称になった「Qcafs」の意味に錯誤が生まれないよう、しっかりとしたバラを出荷したいものだ。

 

 最近は「え?悪ふざけ?」って感じのクリエイティブな子供の名前が増えているが、それでも斬新な名前の子供の両親が、知恵を絞って付けた名前に違いはないだろう。

 

 「名は体を表す」という言葉もあるが、「体」だけではなく、生き方や性格、その生命のあり方を表すと私は思う。

 

 だから私は人に話し出す時に、固有名詞を読んでおいて話し出すことが多い。

 

 そうする事が、その存在に対する敬意の念の様に思えるからだ。

 

 とはいっても、最近では「海馬に障害があるんじゃないの?」と思うほど、人の名前を憶えない。

 

 近頃、口数が減っているのは、それが原因の一端なのかもしれない。

 





2011年10月10日(月)

「 as time goes by  


 「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」といえば、唐の詩人の有名な詩である。

 

「ねんねんさいさい 花あい似たり さいさいねんねん 人同じからず」という手まり歌の様な詩だが、何とも覚えやすい。

 

 私が、バラの世界に足を踏み入れて、気が付くと10年経過している。

 

 10年前は本当に右も左もわからず、五里霧中に、ただただ日々を過ごしていた。

 

 今も暗雲の中に佇(たたず)んではいるが、一条の光は見い出せたかもしれない。

 

 20代を思い返せば、それはとてつもなく長く感じる。

 

 生まれてからほとんどの時間が20代だったようにも思える。

 

 昔の私は、30代と言えば、かなりちゃんとした大人であるように思っていた。

 

 現在の自分は、当時の私から見てカッコいいおっさんになっているだろうか?

 

 そして、当時の私から少しでも進歩しているだろうか?

 

 少しでも進化しようと思い、最近「インカム」を購入した。

 

 手ぶらで電話出来る為、すこぶる便利である。

 

 特に需要期のこの頃は、市場、花屋さんから表日には怒涛に電話がかかってくるので、その度に手を止めなくていいので、一日中、手に・・おっと「耳」にしている。

 

 難点と言えば、さすがに丸一日していると耳が痛くなるということと、ものすごくはっきりした独り言を言っているように知らない人に見られるということだ。

 

 後、副産物としては、相手の電話が切れる瞬間まで聞こえているので、電話を切る間際の声が聞こえる事が面白い。

 

 「よろしくお願いします。失礼しますー。・・・・・・・・50本しかないのかよ・・・ブツ」みたいな。

 

 たまに電話を切らずにいる人など、その後の会話もずっと聞いている。

 

 盗聴をする人の気持ちが、少しわかる気がする。

 

 ともあれ口を動かしながら、せっせせっせと仕事できるので、忙しい時も居留守をすることもなくなった。

 

 毎年同じように花は咲く、でもそれを見ている人は同じではない。

 

進化した私は、一部で有名な「電話に出ない堀木」の名声も少しは返上できそうだ。

 









2011年10月4日(火)

「 the decisive  






 「手芸が趣味」という人は案外、手が焼ける。

 

 年寄りに多いのだが「そんなもん作ってどうすんの?」みたいな物を、制作する。

 

 制作するだけなら何万個と作ってもらっても構わないが、どういう趣向なのか、それをくれようとする。

 

 私などはきっぱり、「イラン!」と言ってしまうが、大抵の皆様は引きつり笑顔で満面の笑みと副産物を頂戴するようだ。

 

 田舎の老人などは押しが強いため

ホ「いらん!」

老「なんで?」

ホ「置くとこないもん。」

老「いらんかったら、後で捨てればいいで。」

みたいな本末転倒の会話で、無理やり持たせる・・・。

 

 関係各位には大変申し訳ないが、信州は秋深く、乾燥した冷たい風が吹きすさび、全くバラが咲かなくなってしまった。

 

 8月の終わりと同時に「これからが堀木園芸の最盛期だ!」意気込んだのに、僅か1か月の失速。

 

 欠品ばかりで文句も言いたいだろうが、我が家だって出来ればたくさん出したくて、暖房をがんがんたいたり、水をあげている。

 

 土耕栽培の品種には、夏の終わりにたっぷりと「お礼肥」を撒いた。

 

 今年の肥料は、酵素入りの肥料で育った豚のフンとモミ殻を混ぜて発酵させた物。

 

 撒いた当初は、だいぶ匂いがキツかったが、今では落ち着いた。

 

 今年の前半を頑張ったバラにあげる「お礼肥」のポイントは、バラが植わっている畝(うね)に撒くのではなく、通路に撒くのだ。

 

 そうすることによって、根が肥料を求めて発達する。

 

 ところが、我が家のバラは「やべぇ、昼飯食いすぎてうごけねぇ。つーか寒くない?」みたいな状態になっている。

 

 なんて恩知らずな奴らだ。

 

 「手芸家はろくなもんじゃない。」と罵ったが、友人の奥さまは、アジサイ農家にしておくにはもったいないくらいの、腕の持ち主。

 

 寒い信州の秋、そろそろ私はロンTなども欲しくなってきた。

 

 お礼は「ブドウ&洋梨」で如何でしょう?



2011年9月28日(水)

「 あいまみえる その時まで 走れ 


ちょっと時間が経ってしまったが、フェアの翌日の話である。

 

フェアも宴も終わり、翌朝市場で資材を購入して「さあ松川に帰ろう!」と思ったら、台風で中央道封鎖・・・。

 

まあ、ちんたら走っていても甲州街道を行けば帰れるだろうと、高を括っていたらみんな同じことを考えていたようで、甲州街道は大渋滞。

 

相模湖周辺の峠では、5㎞進むのに1時間かかった・・・・。

 

歩道を歩いている人に、抜かれる抜かれる・・・。

 

こんな時、私はあまりイライラしない。

 

周辺の住宅を覗き込んだり、相棒の文庫本をだしたり、携帯電話をピコピコ。

 

もちろん。全く進んでませんので、ギアもパーキングに入れてるから問題ありません。

 

最終的には、甲州街道も大雨で全面通行止め。

 

回り道して峠道を攻めようかと思えば、そちらは土砂崩れで通行止め。

 

この時点で出発から既に7時間経過・・・。

 

仕方がないので、中央道を東京へ逆走、圏央道から関越、上信越、長野道を経てようやく中央道。

 

松川に着いたのは、東京を朝9時に出て、11時間後の夜8時。

 

疲労はあるが、それよりも達成感のがあった。

 

感謝したいのは、ずっと走り続けてくれた愛車と暇な間メールしたり、愚痴を聞いてくれた人々。

 

孤独な車内で、自分が支えられて生きてることを学ぶ。

 

長時間の運転で、骨が折れたが、心は折れぬ。

 

台風め! 私の勝ちだ!












2011年9月15日(木)

「 あいまみえる その時まで 走れ 


 私は普段から、物事を多角的に捕えるようにしている。

 

 その上で、様々な答えを導き出すので、時折、他者との見解の相違が生じる。

 

 もう「堀木園芸フェアin ウィズ」も何回もやってきたので、今回は良い点ばかりでなく、悪い点も考察しなくてはならない。

 

 まず第一に、「フェア」と銘打っているが、当の私はにこやかに営業する訳でもなければ、積極的に販売する訳でもない。

 

 お客さんが質問して下されば、もちろん懇切丁寧にお答えはするが、職人肌で人見知り故、店頭にいても逆に邪魔かもしれない・・・。

 

続いて、疑心暗鬼な私は、我が家のバラを褒めて大量に買っていかれる方を見ると、哀れな私を見て本当は必要でもないのに、気を使って買って行ってくれるんではなかろうか?と思ってしまう。

 

そんな不安の渦中にあって、かわいい花屋さんが、新たに一束手にし「これは自分用♪」などと優しい言葉をかけてくれれば、「ホレてしまうやろぉ~~!」とエルフバケットをかぶって叫びたくなる。

 

純朴な信州の青年の心が、もてあそばれてしまう。

 

それでいて、いい意見ばかりではなく、たまに腹の立つ様なことも言われることもある。

 

もちろん今後の参考になる意見には襟を正して清聴するが、事実無根な軽口を叩こうものなら、心の閻魔帳に書き留めて、いつかの報復を心に誓う。

 

しかし、その後の打ち上げの席で、話題の一つとして話すと、ウィズの松橋さんと松永君が、我が身の事の様に腹を立ててくれると、「ホレてしまうやろがぁ~~!」と目頭を熱くしながら、口に肉を押し詰め叫びを殺す。

 

またもや純朴な信州の青年の心が、もてあそばれてしまった。

 

心の傷を癒すため、ついつい暴飲暴食に走ると、傷は癒えても肝臓はぐったり、腹はぽっこり。

 

そんな訳で、今年のフェアも100%の出来ではなかった。

 

来年もまた頑張ろう!






2011年9月11日(日)

「 あいまみえる その時まで 走れ①  


 行ってきました。「堀木フェアinウィズ」

 

 色々、書き記したいことがあるので、数回に渡って残していこうと思う。

 

 まず、今回のフェアにあたり新しい試みを取り入れてみた。

 

 というのも、エルフバケット出荷と乾式横箱出荷の違いを見てみたいと思った。

 

 我が家は、時代遅れの形式になってしまった横箱出荷で、保水もしていない。

 

 乾式横箱のメリットとしては・・・と考えたが、あんまり無い。

 

 運賃がすこぶる安いのと、転送に優れているくらいであろうか。

 

 段ボール箱を組み立てる労力、梱包する労力、梱包する際に使用する新聞紙や紐の整理を考えると、明らかにバケットの方が楽である。

 

 また、良くお花屋さんが口にする「シミ」と呼ばれる、灰色カビ病もバケット運輸のほうが発生を抑えられるとされている。

 

 ただ、運賃は長野→東京で1バケット300円。箱なら1箱70円だ。

 

 4.3倍の運送コストを気にしない生産者が、ゴロゴロいるのだから、相当花の状態も良いのだろうかと期待した。

 

 ところが、私の目からするとそうでもない。

 

 実際店頭に並べてみると、箱詰めの方がはるかに傷が少ない。

 

 水が揚がっている分、痛みは目立たないが、主に外部に触れる部分の花が痛んでいる。

 

 当然、普段バケットを利用していない私の梱包技術の低さも要因の一つであろうが、4倍近く運賃を払った代償としては、とても対価を得たとは思えない。

 

 こんな事を言っては、関係各位の気を悪くしてしまうかもしれないが・・・・

 

 丹精込めたバラが、我が家を出て、購入者(この場合中卸や花屋さん)の元に届くまでに、一回でも素人(花の仕事に携わる意識の無い人間)の手に触れる限りは、私は乾式横箱を続けたい。

 

 悪条件の中では、箱の方が影響を受け辛い。

 

 まぁ、あくまでも1回こっきり出荷してみて、分かり切った風な事を厚顔無恥に述べているに過ぎない。

 

 そしてどの道、我が家も何れはバケット輸送に頼らざるを得ない日が来るであろう。

 

 そんな時の為に、否定的なだけではなく、その環境下でのベストを尽くさなくてはならない。







2011年9月6日(火)

「 まな板の恋  











 誰とまでは言わないが、出す曲、出す曲「恋愛ソング」で、「お前の脳みそは、性欲でできてんのか?!」と問い質しくなる歌手がいる。

 

 ファンもいるのだろうし、多少売れているのだろうが、そんな陳腐なラブソングをラジオで聞かされると、なんだか拷問に近いような錯覚を覚える。

 

 先日、仕事で東京に行った時に、十分日帰りできる日程だったのだが、泊りにしてご贔屓(ひいき)さんと一緒に飲めるようにセッティングしてもらった。

 

 店舗やアトリエの見学でお話を聞かせてもらうのも、大変勉強になるのだが、やはり一献傾けながら膝を割って話すのが、親しくなれるというものだ。

 

 そして今回のお相手は「アルママルソー」さん。

 

 以前から、ご贔屓にして頂いていて、多少のお付き合いはあったのだが、一緒に飲むのは初めてだった。

 

 普段からバラに囲まれていても、生ものの綺麗なものに囲まれるといささか緊張して、いつもより若干急ピッチで杯をあおってしまった。

 

 舌に潤滑油が染み渡ったところで、色々質問をぶつけてみた。

 

アレンジメントや装飾の姿勢や考え方、配色や花材の選び方など。

 

「もしかして、こういう風に作ってません?」と聞いてみると、意外と的を射ていた。

 

 たらふく肉と酒と情報を腹に仕入れた所で、あまり泥酔して失礼のないよう退散したのだが、宿泊先までのタクシーの中でふと思いついた。

 

 「マーケティング」と呼ばれるものは、もしかしたら「恋愛」に似ているのかもしれない。

 

 意中の人に気に入ってもらえるように、自分を工夫してみたり、その人の趣味に合わせてみたり、相手の趣向を調べたり。

 

 あくまでも「売りたい」だけでは「片想い」になってしまうが、買い手が好んで選んでくれたり、供給側を大切にしてくれれば「両想い」ではないだろうか?

 

 と、ほろ酔い加減でタクシーの中で頭を捻ってみたものの、とんと色恋沙汰と縁遠いこの頃では、マーケティングの事はわかっても恋愛事情がどうだったか思い出せない。

 

 たまにはラブソングも聞いてみようかねぇ。



2011年8月29日(月)

「 男の子の日  


 私ははっきり言って、出不精である。

 

 外出するのは、すこぶる面倒くさい。

 

 家にいれば、裸族同然でだらだらしていても文句は言われないが、人がいる所に行けば、多少なりとも他人に気を使わなくてはいけない。

 

 そんな私だが、月に1度ほどは東京に行かなくてはならない。

 

 そのほとんどが、会議や打ち合わせなのだが、たまに楽しいイベントもある。

 

 今年も例年同様開催される世田谷市場内中卸「ウィズ」で行われる「堀木園芸フェア」だ。

 

 毎年の恒例行事になっているので、何か面白い事を考えているが、楽しみな事を考えている時の私の発想力には、ビルゲイツも舌を巻くであろう。

 

 そんな訳で、たくさんの堀木ローズとデカイおっさんが、92日(金)にウィズの店頭でお待ちしていますので、是非お立ち寄り下さい。

 

 とは言っても、もともと内気な性格な私なので、私からは積極的にお花屋さんには話しかけられない。

 

 それでいて、ずっと突っ立っているのも嫌いなので、たまにサボってブラブラしている。

 

 年間数十回ある出張の中で、極僅かな楽しい出張。

 

 そうであっても出張は疲れるので、そのご褒美で東京に行ったついでに、渋谷の楽器店街へ立ち寄る。

 

 エレキギターを眺めたり、スコアを物色したり、アクセサリーやおもちゃを大人買いする。

 

 よだれダラダラの末に、本屋で文庫本を買えば、もう松川への帰路はスキップして帰れる。

 

 ご機嫌すぎて、遊んできたと思われては癪(しゃく)なので、翌日はちょっぴり疲れた顔をして仕事をする。

 

 まったく出張を言うものは、気を使ってばかりでいけない。













2011年8月27日(土)

「 You so cute  












 他の花生産者とバラ生産者の大きな違いの一つといえば「トゲ」であろう。

 

 新品の作業着を下ろしても数日でボロボロになってしまう。

 

 故に年がら年中、作業着はオンボロだ。

 

 たまに出かける時は、小奇麗にしようと思うのだが、出先でそんな事を気にもかけない方もいらっしゃる。

 

 恐らく元は白かった半透明で首元ダルダルのTシャツ、何万回洗えばそんなに色落ちするんですか?と聞きたくなるようなジーパンをくるぶし辺りでロールアップ、スニーカーと呼ぶにはおこがましい運動靴。

 

 

 先日、つくばに本店を構える「プアラニ」のスタッフの方がお二人見学に来られた。

 

 東京経由で来られる為、総移動時間は優に6時間を越えるだろう。

 

 わざわざ我が家だけの見学だというんだから、探究心に頭が下がる。

 

 滞在時間も4時間ほどあって、実際に農家の仕事を体験したいとのことだったので、クソ暑い日中に温室の中に入って、脇芽取りの作業をして頂いた。

 

 大抵の見学者は、小一時間ほど視察して帰られるのだが、一緒に仕事をしてみたいと言われたのは、初めてである。

 

 なかなか短時間では聞けない事も、いつもの仕事をリラックスしながらしていると、思わぬ質問も出てきて、こちらとしても勉強になる。

 

 私などはハイスピードで進めてしまう仕事であっても、「かわいい!」「きれい!」などとべた褒めされながら丁寧に脇芽を取られれば、バラもさぞかしご満悦であろう。

 

 若い女性が黄色い声を出しながら手入れをしている姿を見ると、まるで我が家のバラがエステを受けているようだ。

 

 褒めてあげると女性は綺麗になるというから、バラも同様に褒めて作業するのがいいかもしれない。

 

 「無頓着」という言葉がふさわしい方にも、「そのTシャツカッコイイですね。」などといってみようか?

 

 「そーなんですよ。実はこのTシャツはかなりレア物のウンタラカンタラ・・・・」などと講釈が始まっては大変なので、やっぱり遠巻きに小バカにしておこう。



2011年8月20日(土)

「 両足を失って、初めてエレベーターの場所が分かる  


 私を知っている御仁にとっては、意外な事かもしれないが、おしゃべりな私とは裏腹に、私の祖父は「沈黙は金なり」を地でいく老人だ。

 

 良くそれほど無口で生きてこられたものだと、不思議に思っていたものだが、私も年々口を開くのが鬱陶しくなってきた。

 

 そうは言っても、ツッコまざるを得ない事は、日々の生活に溢れていて、特に先日聞いた歌の歌詞は酷かった。

 

 話題は変わるが、夏のバラ屋の朝は早い。

 

 朝の弱い私にとっては、毎朝の拷問に近いのだが、とりあえず月曜から日曜まで450分に目覚ましを仕掛け、20分の二度寝を楽しんだ後、もう既に明るい世の中に出て行く。

 

 暖地の生産者の中には、早朝と夕方に仕事して、暑い日中にはゆっくりとシエスタを楽しむ産地もあるようだ。

 

 カラッとした信州の昼間でさえ、温室の中は蒸し風呂なのだから、当然の処置だろうと思うし、私も仕事が暇な時は、2時間位はゆっくりする。

 

 市場からの電話など、ヒグラシの鳴き声程度にしか気に止めない。

 

 ここ最近は、そんな優雅な生活とは別離している上に、まだまだ日が長いため、7時前位まで仕事場をウロウロしている。

 

 逆に夕方になれば、涼しい為、「もう少し、もう少し、」と思うと、帰宅時間が遅くなる。

 

 ようやく日が暮れて、「家へ帰る→風呂に入ってさっぱり→晩酌を嗜む」という日課をこなしていると、もう10時過ぎにはほろ酔いで、ウトウトしてくる。

 

 早寝早起きで、健康的だねぇ!

 

 と思われがちだが、夕食後すぐに寝るのは、生活習慣的には大変よろしくないらしい。

 

 そんなわけで夏なのに、なんだかぽっちゃり・・・。

 

 ポニョで有名な「大橋のぞみ」ちゃんの新曲は「パンダの夢」。「うえのパンダ歓迎大使」の彼女が歌う歌詞がこうだ。

 

 「パンダの夢はどんな夢? パンダが一人で見る夢は 四川の山で父さんや母さん達と竹食べて 仲間とかけっこしてる夢」

 

・・・・中国に帰してあげて!!!

 

パンダ体型になりつつある私には、涙ながらにパンダに同情してしまう。


           



2011年7月26日(火)

「 死人に梔子  


 ふと過去の恥ずかしい記憶や腹の立った体験を思い出して、もう随分前の事なのに、やり場のない感情に落とし込まれることはないだろうか?

 

 過去の記憶は、前日の食事と共にトイレに流し去ってしまう私でさえも、時折そんなトラウマが頭をもたげ、絶叫して断崖から飛び降りたくなる事がある。

 

 そんな私に吉報があった。

 

 思い出したくない記憶を忘れる方法があるらしい。

 

 人の脳は「思い込み」が全ての思想・行動の要になるようで、嫌な事を思い出した瞬間、頭を真っ白にして「思い出せない。覚えていない。」と念じるのだ。

 

 このトレーニングを積むと、次第に嫌なことは思い出さなくなるらしい。

 

 現在、市場に流通しているバラは大きく分けると2つに分類できる。

 

 「スタンダード」と呼ばれる「一枝に一輪」の花がついているものと、「スプレー」と呼ばれる「一枝に房咲き」で花が咲いているものだ。

 

 俗に、スタンダードとスプレーの市場流通対比は、7:3が良いとされているらしいが、私自身の見解は8:2か9:1くらいであろう。

 

 というのも、現状さほど価格に差がないが、スプレーは存外手間がかかる。

 

 花芽も親芽(一番先に花芽を付ける芽)を使うわけでなく、子芽(2番目に付く花芽)を使う為、到花日数は必然的に長くなる。

 

 また、スプレーに出来る品種は、多花性の高い為、採花可能なエリア外にもわさわさ花芽が付く。

 

 それを摘み取る作業も楽ではあるが、頻繁に行わなくてはならない。

 

 孫芽まで付き出した日には、その間引き作業に終日持っていかれてしまう。

 

 つまり、手間と時間を費やしている分、「価格」という見返りを当然求めるわけだが、スプレー自体が大量に市場に流通していると、代替品も効く為、さほど価格は出ないというわけだ。

 

 そういった訳で、あまり忘れられない様に、しばしば「スプレーは大変なんですよぉ~」的な事を言っておかなくてはならない。

 

 「そんな事言ったって、いらないんだもん。」と言われてしまえば、またトラウマになりかねないので、屍になりたくなければ、表現方法は慎重になってしまう。










2011年7月15日(金)

「 Whisper  












 いつの頃からか、世の中はネット社会だ。

 

 まだインターネットが使いたい放題じゃない時期から、インターネットをしていた私からすれば、速度も料金もとても進化したものだ。

 

 特にこの所は「Twitter」の勢いがすごい。

 

 震災時にも役に立つこの風潮は、平伏させられるが、普段から独り言を「ぶつくさ」とつぶやいている私には、不要な気がしてならない。

 

 この業界に足を踏み入れた頃は、種苗会社のカタログや花雑誌を穴が開くほど、読んでいた。

 

 ところが、最近はとんと手に取ることは無い。

 

 雑誌は極稀に、書店で立ち読みをする程度で、目が痛くなりそうな表紙のカタログは、一通り目を通した後は、そのまま永久保存コースである。

 

 歳を取り、どんどん浮世と一線を画す様になってしまって、いささか不安も感じるが、そんな自分もちょっぴり好きである。

 

 そんな出家街道爆進中の私であるが、ちょっと色気だって新品種を入れてしまった。

 

 ちょっとした一目惚れで定植したバラは、京成バラ園の「ルージュロワイヤル」。

 

 久しぶりにカタログ発行前の逸早く、注文してしまった。

 

 とはいえ、新品種特有の過剰増殖にびびり倒して、たった60株。

 

 綺麗なボルドーとロゼット咲きの香り高い大輪品種。

 

 興味のある方は、お声を掛けて頂きたい。

 

 でも、たいして出荷量は無いので、悪しからず。

 

 「新品種はっじまるよ~~~!!」

 

 とは、言えないほどの我が家の新種紹介に、ついつい小声でささやいてしまう。



2011年7月2日(土)

「 Frustration  


 前歯が折れた。

 

 疲れきったところに、スコッチを入れたら少々泥酔してしまい、上アゴの2番を脱臼と骨折してしまった。

 

 「和を持って尊しとなす」が、飲み会のモチーフの私も4ヶ月に1回ほど、はしゃぎ過ぎてケガをする。

 

 当然、喧嘩などではない。

 

 

 南信州は、空梅雨なのか、これからなのか、極短時間に土砂降りが振るくらいで、最早初夏のような気候だ。

 

 Tシャツで外に出ると、紫外線がじりじりと素肌に噛み付く。

 

 今年は、節電意識が高まっているので、なるべくピーク時に被らないように、エアコンを使う。

 

 雨天時の朝夕や、まだまだ先であるが、熱帯夜時の夜間早朝。

 

 去年まで、人様よりいい環境で育っていたバラから見れば、若干過酷な状況だが、日本で育つバラならば、彼女達にも協力して貰いたいものだ。

 

 そうは言っても暑いのだろう。

 

 ここの所、何本か変わったバラを発見した。

 

 相当、五月晴れの日差しが眩(まぶ)しかったのだろう。

 

 器用に自分で日よけが出来ている。

 

 「え!? そんな事も出来るの?」と驚かされてしまう。

 

 掌でそっと日差しを遮る姿は「貴婦人」の様だ。

 

 前歯が折れて、折角の「イケメン」が台無しである。

 

 折れた歯のせいで、目つきは悪くなるし、目のクマはひどいし、鼻は低いし、肌は荒れてるし・・・。

 

・・・お! 元から大したことなかった!!

 

私も今度から、笑う時には口元に手を添えて笑おう。

 

オホホホホホ、ごきげんよう。






2011年6月25日(土)

「 I wanna bite your lower lip 




 最近、正直言って睡眠不足だ。

 

 故に日中もかなり眠い。

 

 頼みの綱のコーヒーも豆が切れて、この頃インスタントばかり飲んでいる。

 

 ムッとして仕事をしていると、ラジオから流れてくるAKB48の新曲を、母が歌っていて笑ってしまった。

 

 「カチューシャ~~♪」と口ずさんでいる母を横目に、AKBの浸透力と「カチューシャ」ってロシア語か?という疑問符が頭をよぎる。

 

 我が家の美人三姉妹には、共通点がある。

 

 ワンダーウォール、バイアモーメント、エヴァーロングは、10本に1本ほどの割合で、花びらと花びらが折れ曲がって、くっついている。

 

 文面で説明しても分かり辛いので、横の画像を参照にして欲しい。

 

 絡まっているから問題か?というとそうでもなく、花が咲くにつれほぐれる時もあるし、突付いてやると簡単に取れる。

 

 だが絡んでいて開花が遅れた分、バイアモーメントなんかは退色が進み、雰囲気が出る。

 

 余談ではあるが、バイアモーメントの初見は、派手な花色のバラに見えるだろうが、その後の柔らかい退色を見なければ、彼女の「ツンデレ」を理解したとは言えない。

 

 話を戻すが、私はこの「花弁が絡まっている状態」を「唇噛んでる」と心の中で呼んでいる。

 

 大人になりたくないと反抗している様だ。

 

 その辺りは「中身は子供、体はおっさん!」の私も充分理解できる。

 

 中身は子供であるが、さすがにAKBくらいの女性には、とんと興味がない。

 

 彼女達が頑張っている姿を見ると、部活や学園祭に打ち込んでいる子供たちの様で、ついついあったかい気持ちになる。

 

 ある意味で、「上がって」しまった己を省みても、全然唇を噛みたくもならない。



2011年6月18日(土)

「 平行四辺形 


 信州は入梅したというのに、爽やかな日々が続いている。

 

 夕方、仕事を終えて帰る時は、まだまだお日様の威光が残っていて、車窓を全開にして、夏の薫りがする風を楽しむ。

 

 鼻歌交じりで「今日の晩酌は何を飲もうかなぁ?」と見慣れた景色を楽しんでいると、凄いものを発見してしまった。

 

 部活帰りの中学生の男女が、手を繋いで歩いている!

 

 中学生など、ようやく異性への意識が芽生える程度だと、思っていたのにカップルになるどころか、仲良く登下校たぁ、私の頃からすれば考えられない。

 

 

 いつの頃から始まったか分からないが、父がいつの間にかすっかり有機農法にはまっている。

 

 つい先日も納豆をミキサーで液体にして、納豆菌を温室に撒いていた。

 

 うどん粉病に効くか、試したらしい。

 

 そうかと思えば、ヨーグルト、砂糖、イースト菌等を使って、何やら美味い匂いを漂わせ、科学農薬の代わりを制作している。

 

 ここ数年、我が家は自然と分業が進み、採花・選花・出荷などのアウトプット業務は私が専門で、時間に追われることがなくなった父は、こつこつ生産技術や資材をインプットしている。

 

 良く他の農家では、父子のジェネレーションギャップで、快適な仕事環境に支障をきたしている様であるが、我が家はそういった類の事は一切ないと言ってもいい。

 

 私が細々とした仕事をしていると、父は父で新しい挑戦をしているのを見ると、私も負けていられないと思う。

 

 それにしても、料理をしているようにしか見えない父を発見した時は、びっくりしたものだ。

 

 父の日には「エプロン」でもプレゼントしようか?

 

 ラブラブ中学生カップルの発見に、驚愕した私は、周囲にこの大スクープを報道すると、意外と周囲の反応は冷たい。

 

 どうやら、今はそれが普通らしい。

 

 なにやら取り残されたジェネレーションギャップに、夕日が目にしみた。








2011年6月8日(水)

「 Poker Face 


 私は、団体行動というものがホトホト取れない。

 

 気立てが「天邪鬼」なのもあるが、他人と足並みを揃えるのが苦手である。

 

 そんな私だから、個選で独立独歩を気取って、誰の指示にも従わず百姓をやっているのは、性に合う。

 

 しかし、現代の農家は、そうとばかりも言っていられない。

 

 やれ「なんとか会」だ、やれ「なんとか研究会」だ、やれ「なんとか組合」だと、理由をつけてはツルみたがる。

 

 もちろん大事業を成すには、みんなが協力しなくてはならないが、「成すためにツルむのか」「ツルんでるから、何かをやらなければならないのか」では、その効果は全く別物である。

 

 嫌々参加しても、気の良い私は、どうせなら面白い事をやりたいと思っていても、大抵「無理だ。」「難しい。」と既存概念しか存在しない意見に、足払いを喰らう。

 

 

 積年、私の頭を悩ませている問題がある。

 

 つい最近も「堀木さんがローテローゼに、こだわっている理由は何なんですか?」と、仲卸の方に言われてしまった。

 

 別に、何のこだわりもないが、強(し)いて言うなら2つ。

 

 わざわざローテを止めてまで、作りたい赤バラがない。

 

 バラ生産者として、赤バラがないのは寂しい。位である。

 

 私が就農してから、永遠の課題と言ってもいいくらいの、我が家の赤バラ問題であるが、最近は少し疲れてしまった。

 

 「これは!!」という品種は出てこないし、最早根本的に「単なる赤って、他の花に合わせ辛くない?」って所まで来ている。

 

 それかいっその事、赤バラのないバラ屋もいいかもしれない。

 

 突飛なアイディアが出た時に、考慮もせずに「無理。」という言う奴は、多分永久に大成しない。

 

 固定概念など、切り捨ててしまえばいいのだ。

 

 それにサムライならもう既に、我が家に2人いるので、これ以上は全く必要ない。



2011年6月1日(水)

「 腐りながら咲くのなら、せめて散ってくれ 


 どうせこのブログは、切花業界関係者しか読んでないだろうから、堂々と書かせてもらおう。

 

 我が家は、バラを「栽培」しているのであって、「バラ園」ではない。

 

 どういう事かと言うと、京成バラ園や全国各所にあるローズガーデンの様な中で、バラを栽培していると思っている人が多い。

 

 特に素人!

 

 先日、お世話になっている地元の先輩に頼まれて、渋々その先輩の知人の温室の見学を許可した。

 

 「先輩に用事もあったのでいいか。」と安請け合いしたのが、運のつき。

 

 お出かけモード満載のおば様3人衆は、朝の花切り直後に温室に訪れ、バラの咲いていないローズガーデンとは似ても似つかぬ無機質な圃場を見ていった。

 

(以下会話文  注:ほ=私 オ=奥様方)

 カチカチのベンデラの蕾を握り、オ1「この花は香りがないわね。」

ほ「香りの少ない品種ですから、それ以前に咲いていないので、香りはまだ出ないんですよ。」

オ1「でも、この辺りの花屋さんに置いてあるのは、このくらいよ。」

ほ「地域によって店頭に並ぶ花の咲き加減の選り好みがあります。この辺りは早目が好きで、都内は咲いているものが好まれます。」

オ2「でも、バラってすぐ水が下がっちゃうのよね?どうすればいいの?」

水揚げの方法を色々教える私に、オ2「へー。」

オ3「このバラは毎年植え替えるんですか?」

ほ「いいえ、長いものは10年近く栽培します。」

オ3「でも、バラは連作障害があるんでしょ?」

ほ「いいえ、他の花と違って連作障害はほとんどありませんよ。」

オ3「そうかしら?私の読んだ本にそう書いてあったわよ。本が嘘を言っているっていうの?」

ほ「完全にないとは言い切れませんが、連作障害にならない施工を施してあります。」

カチカチのレディチャペルを触りながら別の奥様が、オ2「これなんか綺麗ねぇ、お金を払って切らせてもらおうかしら?」

ほ「・・・・(腹が立ったので一回シカト)。」

オ2「ねぇ?どうかしら?買えないかしら?」

顔面麻痺になりそうな作り笑顔で、「ウチは、一般の方や飛び込みの方には、お売りしてないんです。」

 

 激戦の末、私が手に入れた経験値は「忍耐力が3上がった。」

 

 あ~~それから最後に、素人お断り!




2011年5月27日(金)

「 犬が西向きゃ、おれは東。 










 皆様には、「自分の理想とする職人像」というものが、あるだろうか?

 

 尊敬する上司だったり、父の背中だったり、はたまた大企業の社長だったり。

 

 私は、仕事以外でも常に心がけている「スタイル」の人物像がある。

 

 「中村主戸(なかむらもんど)」である。

 

 

 毎年の事だが、堀木園芸に母の日は無い。

 

 正確に言うとバラが咲いていない。

 

 天邪鬼な我が家は、母の日ウィークには目もくれず、週明けの相場がた落ち辺りから、続々と出荷量が増える。

 

 あんなに毎日矢の様な催促の電話があったのに、今となっては堀木の「ほ」の字も出ないんじゃないだろうか?

 

 そんな訳で、今週末辺りから徐々に出荷量が増えます。

 

 まずはなんと言っても今年のNew Face「カスタードパイ」。

 

 甘い香りと柔らかいクリーム色、ほんわりとした花形が花保ち抜群でご覧下さい。

 

 それから、母の日に全く役に立たない「ワンダーウォール」。

 

 夏向けの花色とはいえませんが、花保ちはキーパー要らずのミルクティー色のバラ。

 

 「バイアモーメント」「オリエンタルキュリオーサ」も後に続きます。

 

 お馴染み時代劇「必殺仕事人」の主人公「中村主戸」は、普段は職場でもうだつの上がらない婿養子侍である。

 

 「昼行灯」の形容詞が、これ以上なく当てはまり、周囲の鼻つまみ者であるが、一度「義」の為に依頼人から金を受け取ると、誰もが恐れをなす最強の剣の使い手である。

 

 私も「一撃必殺」の技術を影で研ぎ澄ませながら、日々「昼行灯」に興じたいものだ。

 

 とは言っても「ここぞ!」という時の母の日を外す我が家の出荷体制に、「一撃必殺」など到底及ばない。

 

 それでは、役立たずに増えてくるバラたちをお楽しみ下さい。



2011年5月13日(金)

「 エラ呼吸の向こう側 


 冬季の間に、堀木園芸もわずかに進歩し、作業場でラジオ以外にCDが聞けるようになった。

 

 私は、邦楽よりも洋楽を聴くことが多い。

 

 英語を話せない若造が格好付けている訳ではないが、日本語の歌だと歌詞が頭の中に入ってきてしまい、音楽以外の事に集中できない。

 

 昔、超一流のフラワーデザイナーの方が「市場に咲いているユリは入荷ないかしら?」と、仕入れをしているオーナーに質問していて怒られていた。

 

 確かに、市場に入荷してくるユリはどれも「ロケット」の様に蕾が閉じていて、「咲いているユリ」なんてものは、市場にはない。

 

 何年も花に携わっている人でさえも、意外と出回り時期や荷姿は忘れてしまうものだ。

 

 しかも、年々どの花も周年化してきているので、出回り時期の判断は付き辛くなっている。

 

 かく言う我が家も「周年栽培」と歌っているが、実際は栽培の谷間もあるし、剪定休眠もある。

 

 特に困ってしまうのが、4月と5月上旬である。

 

 剪定休眠明けは、全ての株が一斉に花を咲かす。多少の振れはあるものの2~3週間のうちに開花・出荷し、また冬季と同様の丸坊主になってしまう。

 

 「3月にたくさん出荷があったから」と、注文して下さる花屋さんには悪いが、4月は全くバラがない。

 

 3月終わって、次のピークは5月中旬、その次は7月、そして8月下旬からは安定して年末まで、大量出荷と相成るわけだ。

 

 言うまでもなく、厳寒期の1・2月、花の売れない4月、病気の出やすい6月を外して、需要の高まる時期に調整している。

 

 と言っても、普段から忙しく何百種類の花を扱っているお花屋さんが、我が家のバラの出回り時期を熟知している事など、不可能だろう。

 

 お気軽にお電話もらえればと思う。

 

 とは言っても邦楽を聴いていて集中できてない時は、電話に出ないかもしれない。

 

 あ・・・爆音で洋楽聴いてる時も、気付かないかもしれない・・・。













2011年5月4日(水)

「 保健所で眠る犬に何の罪があるだろう 


皆様は空飛ぶパソコンを見たことがあるだろうか?

 

 2ヶ月に及ぶHPの無更新には訳がある。

 

 人が歩く→つまずく→コードが舞う→パソコンが飛ぶ→破損。

 

 最近話題のツイッター程度なら、そうでもないかもしれないが、ブログで長文を書くと意外と消耗する。

 

 書くのが疲れるというより、私自身を削って文字を組み立てているような気がする。

 

 でも、不思議なもので長期間書いてないと、言いたい事が山ほど出てくる。

 

 ですので、これからはバンバン書きます。

 

 今後もこのページをご愛顧下さい。

 

 堀木園芸オリジナルの新品種も出荷間近!

 

 しかも、自信あり!

 

 正直、今年の新品種が売れなかったら、我が家ではなく花業界自体に問題がある!

 

 なんて事を豪語したくなるくらい、かわいいです!

 

 とりあえずは「NEWS」を更新します。

 

 新しい事も次々挑戦します!

 

 つまづく事を恐れていたら、何も始まらねぇぜ!



2011年5月4日(水)

「 雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ 


 3月は怒涛の忙しさで、気が付いたら1ヶ月以上もブログを更新していなかった。

 

 私の住む地域は、全く被災していませんので、ご心配なく。

 

 どういった訳か、今年は年度末までに、きっちり剪定明けの花が揃ってしまったのもあって、出荷本数が多く、毎日採花・選花・出荷に追われる日々だった。

 

 夜明け前から仕事をして、日が暮れても仕事をしていた。

 

 食事を取る間も惜しんでいた為に、気が付いたら体重も落ちていた。

 

 しかし、そんな事は全く苦にならなかった。

 

 どんな過酷な状況に思えても、東北の人から見たら天国に違いない。

 

 そして今回の地震の被害に遭われた方から、たくさんの事を学んだ。

 

 避難所で小さい塩むすびを、幸せそうに食べる小さな子供たちに、食べ物の貴さを。

 

 自らの事を犠牲にして、炊き出しをする女性、救助にあたる男性に、人と人との繋がりの大切さを。

 

 寝食を惜しんで、道路、鉄道、ライフラインの復旧にあたっている人に、粉骨砕身の心を。

 

 命を危険に晒し、家族の為、国の為に原発事故の処理にあたる職員に、自己犠牲の精神を。

 

 家族を失い心打ちひしがれても、じっと耐えるお年寄りに、人のせいにしない、愚痴を言わない生き様を。

 

 私自身が、彼らを励ますことなど、到底出来ない。

 

 それは私の方が遥かに気楽で、無責任だからだ。

 

 私自身が、誰かを罵倒する事は、到底出来ない。

 

 それは私の方が遥かに無力で、何の助けにもならないからだ。

 

 それでも、私は目の前の仕事をひたすらにこなし、自らの生活を守る努力をする決意ができた。 

 

多くの犠牲の上で、たったそれだけしか学べないが、決して普段の生活をしていては学べない。

 

貴重な経験をさせてもらった地震に感謝している。

 

そして、東北をはじめ、これから復興する為に一致団結して歯を食いしばる日本を、私は誇りに思っている。



2011年2月16日(水)

「 ただ前へ 






 「人は何の為に生まれてくるのだろう?」という問を良く聞く、その答えは分からないが、生きていれば生きているほど、人生は面白い。

 

 私も今年で31歳になり、人生の折り返し地点がそろそろ見えてくる頃だが、まだまだ知らない事がたくさんあり、それを経験すると、やおら興奮する。

 

 先日、所用で奈良県・東大寺に赴いた。

 

 といっても大仏殿には大して興味がなく、奈良鹿を見に行った。

 

 中学校の修学旅行振りに訪れたのだが、相変わらず人懐っこい鹿の群れがかわいくて、鹿煎餅を手に可愛がっていた。

 

 あまりにも可愛いので、抱き締めようと引き寄せると、びびった鹿に数発蹴りをもらってしまった。

 

 

 以前に「スペンド ライフタイム」について、「どういうわけか、夏場はフリルが入るのに、冬場は入らない。」とブログにて説明した事がある。

 

 実は、今冬、その謎が判明した。

 

 あくまでも裏付けがない、農家の「勘」の様な要素が多く含まれるが、原因は「炭酸同化作用」の低下にあったと見られる。

 

 信州の冬といえば、雪深い山里をイメージしそうなものだが、南信の冬は極寒だが、晴れ渡っている事が多い。

 

 そうであっても、日が出ている時間が少ない為か、短時間しか光合成が行われないのであろう。

 

 しかし、我が家は、昨年秋に導入した「炭酸ガス発生装置」のお陰で、空気中の二酸化炭素濃度が上昇して、僅かな光でも光合成が促されたようだ。

 

 毎年、冬はフニュフニャの茎であったのに、しっかりしていて花弁数も多く、フリルも冬にしては可愛く入っている。

 

 冬場に可愛くちぢれた「ライフタイム」を見ると、なんだかとてもいとおしくなる。

 

 足に数箇所もあざを作りながら、「大好き」の押し売りは嫌われる恐れがあるという事を、体験した。

 

 発見の喜びも、失恋の痛手も全てがギターを上達させると思えば、儲けものである。



2011年2月10日(木)

「 Float like a butterfly  Sting like a bee 


 私は普段から喧嘩などをしない極めて臆病者だが、ボクサーになっていたら意外と、好成績を収めたかもしれない。

 

 会話術と人間関係は、少しボクシングに似ているように感じる。

 

 亀の様にガードの硬い人見知りの内気な人、嫌われている事に気付かないクリンチばかりする奴、いきなり馴れ馴れしく接するインファイター、掴み所のないアウトボクサー、たまにウィットにとんだ事を言うカウンターパンチャー、ゴリ押しのパワーパンチャー。

 

 もちろん相手との相性があるのがで、どのタイプがどのタイプと好敵手になるかは、分かり得ない。

 

 以前にも記したが、去る24日に世田谷花き事業協同組合(花屋)と花き研究会(生産者)、トウキョ―フラワーホールセールマーケット(中卸)主催、世田谷花き、砧園芸協賛の合同新年会が行われた。

 

 出席者300人弱の合同新年会は、業界内でも類を見ない。

 

 「語ろう」をテーマにした新年会だけあって、会場への花の搬入から装飾までを、お花屋さんの指示の下、自らが出荷した花を生産者が活け込んだ。

 

 自分の花の使い勝手やプチ情報をお花屋さんと話しながら、皆とても素敵な表情で花を手に取っていた。

 

 開会してしまえば、お花屋さんで働く若いスタッフの方や中卸の方々もどっと増え、大宴会となった。

 

 こういう場で、人間観察をすると面白い。

 

 親しい人とだけ話す人、決められた席に残り同席の人と話す人、会場をうろついてお目当ての人物を探す人、新しい出会いを求め次々に名刺交換する人。

 

 その「場」には、新しい情報も出会いも、懐かしい顔も昔話も存在する。

 

 私はといえば、出会い頭に数発ほど、切れのあるパンチを打ち込んでは移動する「ヒット&アウェー」タイプ。

 

 あまりのトークと移動の速さの為、いつも食わずに飲むだけ。

 

 すきっ腹で酔うので、翌朝はあまり会話の内容を覚えていない・・・。

 

 内容の薄い試合になってしまった。

 















2011年1月30日(日)

「 隘路(あいろ) 


 先日、懇意にして頂いているお花屋さんの「花徳」の堀さんから花束を頂いた。

 

 箱を開けた時に、一目見て鼻血が出そうになった。

 

 流石、私の趣味を熟知されているなと感服した。

 

 私はもちろんバラも好きなのだが、それ以上に枝物、葉物、草物が大好きで、日々それらに合うバラを追求している。

 

 「バラは花の王様」と良くお花屋さんにも、他品目の花生産者にも言われるが、冠婚葬祭、宴会、業務、小売を問わず、広い知名度を誇るバラは、もしかしたら「王様」なのかもしれない。

 

 先日、世田谷花きで会議があり、午前中の白熱する会議を終えた後、悪友「青木園芸」の青木君とお花屋さん巡りに出かけた。

 

 一軒目はジャズが流れる横浜市の「ラ・フランス」さん。

 

 青木君が目をつけたのは、どでかい葉牡丹とフリンジがかわいいシクラメン。

 

 二軒目は、同横浜市のこだわりの花とアットホームなお店「花・太陽・雨」さん。

 

 青木君が目をつけたのは、よだれが垂れそうなかわいさのアネモネ「モナーク」。

 

 三件目は、青木君一押しのお花屋さんで、南青山の「アイロニー」さん。

 

 隠れ家的な二階の店舗には、モダンに佇む花器に、見事な花が活けられていて、店内もシック。

 

 バラ屋が花屋さんを訪れると、大抵いの一番でキーパーかバラの前に立つ。

 

 他品目の生産者は、それとは別の角度から店内を見る様だ。

 

 花色、芳香、花形と多様性を誇るバラは、周年切りが出来る点から見ても、「バラ」という世界に入り込みすぎる恐れがある。

 

 いくらバラが切花として優れていても、それ単体では、花束もアレンジメントも極めて陳腐だ。

 

 「はだかの王様」にならないように、気をつけなくてはならない。







2011年1月20日(木)

「 六花舞い 己が轍を 振り向けば 過ぎ去る時に 春遠からじ 









 「法は誰にも平等だ。」と、お国は言うけれど、全くそうは感じない。

 

 毎年恒例の「日の出暴走」も止められない警察官が、小市民の揚げ足をとって切符を切っている姿をみると、「弱い者いじめ」にしか見えない。

 

 昔から「弱者」の代名詞とされるのが、「百姓」であるが、この所それも著しい。

 

 というのも、ここ数年、作物の盗難が全国で相次いでいる。

 

 病害、虫害、鳥害、獣害だけでなく、「人害」まで加わったのだ。

 

 この「人害」の最も厄介な点は、他のどの害よりも狡猾で、なおかつ「殺傷処分」が出来ない点だ。

 

 収穫の時期になると、地元農家が「自警団」を組んで、農園の見廻りをするという。

 

 昼間仕事をしている農家が、夜も活動していて、いつ休めるのだろう。

 

 昼間はしっかり寝ていて、他人様の「旨味」のみを奪うコソ泥には、到底敵うまい。

 

 畑に「虎バサミ」などの罠を仕掛けてみてはどうだろう?と以前に私は、提案した事がある。

 

 しかし、それは狩猟法に違反するらしいし、万が一犯人が捕まっても、逆に告訴される恐れがあるとか・・・。

 

 「盗人猛々しい」とはこの事だが、本来は撲殺されても申し通りなどあるわけないのに、加害者の人権が大事で、被害者は守られない様だ。

 

 法で守られないのなら、誰が己を守ってくれるのか?

 

 あまりの忙しさでブログにしていなかったが、年末に400坪の剪定を終え、最近では徐々に芽が吹いてきた。

 

 極寒の信州に、薫る春の気配。

 

 一斉に緑の頭をもたげる株に、まだ見ぬ開花の喜びを予感する。

 

 棘付のバラを盗みに来る奴など、なかなかいないであろう。

 

 そうであっても心配なので、ランダムで「漆黒の狩人」を配置につかせる。

 

 侵入の際は、くれぐれもご注意を!




2011年1月16日(日)

「 In morgue 


 「無知の知」といえば、ソクラテスが残した有名な言葉であるが、世の中は「無知の恥」である事が遥かに多い。

 

 某ラジオ局の番組で酪農協会がスポンサーで、牛乳や乳製品に関するクイズを行い、酪農の知識を広めようというものがある。

 

 しかし、決定的で致命的な過失がある。

 

 それは一人の女性アナウンサーとマスコットキャラクターが、司会をしているのだが、そのキャラの名前が「ウシ君」なのである。

 

 なんと短絡的な名前だろうか・・いやそれよりもウシ「君」って・・オス牛はミルク出ねぇじゃん・・・。

 

 私のブログをどれだけの花生産者が見ているであろうか?

 

 あまり宣伝しているわけでもないし、こっそり執筆しているので、誰も知らないかもしれないが、ここに広く「ある事」を告知したい。

 

 来る「24日(金)」に世田谷市場のお花屋組合、中卸組合、生産者組合の三部合同新年会がある。

 

 市場関係者も含め出席は300人以上で、開催は魔都「新宿」の「ハイアットリージェンシー」、開始時刻は1830

 

 花に囲まれた会場で、食事とお酒を嗜みながら、花業界の事、これからの花の事、様々な意見を直接花屋さんと中卸と酌み交わす事が出来る。

 

 かなり有意義であるし、特にこれからずっとこの業界を背負って立つ、若手生産者に出席してもらって、需要の渦中の声を聞いてもらいたいものである。

 

 実はこのパーティー、世田谷花きにまだ出荷していなくても、組合にまだ入ってなくても参加可能だ。

 

 興味のある人は、是非私にメールをして欲しい。(アドレスは本記事の左に)

 

 知らないという事は、時折、罪にも等しくなる。

 

 某競艇協会のCMで、マスコットのアザラシが、「競艇の収益で、海を綺麗にしている。」と謳(うた)っている。

 

 そいつは結構なのだが、締めの一言が「僕の仲間のお魚も大喜び!」。

 

 「仲間」って・・・アザラシにとって魚は「エサ」である。




















2011年1月13日(木)

「 金髪の黒羊 







 私は「ネクタイ」が嫌いである。

 

 友人・知人の結婚式などでは、100%ノータイで出席する程、気合が入っている。

 

 流石に葬儀はやむを得ず着用するが、細身のタイでテカテカしていない素材のものを着ける。

 

 短絡的に、首が締め付けられるのが嫌なのだが、もう一つの理由に「みんな着けているから」というのもある。

 

 そもそも兵装として流行した「ネクタイ」が、いつの頃から男性の正装として定着したのかは、定かではないが、なんであんな布切れを首に巻いただけで、「きちんとしている」感が出てくるのだろうか?

 

 毎年100通以上送っている年賀状と、新年のブログに使用している写真をご覧になって頂けたであろうか?

 

 実は、ここ何年か私の友人の写真屋さんに撮ってもらっている。

 

 それこそ初回は、私自身が撮っていたのだが、「ピンボケ」や「手ぶれ」のせいで、ダメ出しを喰らい続け、「じゃあ、撮ってよ!」と頼んだのが事の始まりだが、毎年なかなか好評価を受けている。

 

 時には温室の通路、時には野原に寝そべったり、不安定な足場によじ登ったりしながら、数時間かけて撮ってくれているのだ。

 

 「今年のお勧めバラ」の花色と、私が普段見ている風景を皆さんに楽しんで頂ければ、本懐である。

 

 そうは言っても、撮られてばかりでは癪(しゃく)なので、撮影中の彼をパチリ。

 

 「みんなしている」「それが普通」と言われると、天邪鬼の私には「裏をかけ」「逆走しろ!」としか聞こえない。

 

 そんな訳で、私は今年も「ノータイ」という名のフォーマルを引っさげ、各方面の裏をかく。

 

 来ると思っていたのに、年賀状が届かなかったそこのアナタ!

 

 まんまと裏をかかされましたね。



2011年1月7日(金)

「 Timeless 


 今年というか去年というか、年末年始は毎年欠かさず行っていた「年越しスノーボード」に行けなかった。

 

 故に、あまり新年を迎えた印象が薄い。

 

 元日も特にやる事がないので、朝からせっせと仕事をしてみた。

 

 花切りをして、剪定作業で野放しになっていたバラの手入れをした。

 

 新年の幕開けに相応しい日本晴れだったので、元気にTシャツで温室を徘徊した。

 

 元旦から汗をかきながら仕事をしていると、とても清々しい気持ちになってくる。

 

 きっと他の人達は遊んだり、余暇を楽しんでいるに違いない。

 

 年明け早々周囲と大きく差を開く事が出来た。

 

 「一年の計は元旦にあり」とも言うので、忙しく手は動かしながらも、今年一年の謀略を巡らしてみる。

 

 夕方の花切りを終え、作業場に入るとカレンダーが未だに昨年のものであった。

 

 新年のカレンダーを貼り付け、それとともに一年中のお日柄を調べて、それに伴って到花日数の逆算を12月まで行った。

 

 意外と週末に「仏滅」が入る事が多い。

 

 ブライダルが集中すると、自(おの)ずと欠品率が上がる。

 

あまりにも先の事を考えていると、今が一体いつなのか分からなくなり混乱する。

 

今年も何事もなく年末を迎えたいものだ。

 

新年から「今年もさっさと終わって欲しい。」と思うのは、私だけであろうか?

 

皆様、明けましておめでとうございます。

 

そして会えなかった時の為に、良いお年を。






2010年12月29日(水)

「 喪失の代償 


 ケガをしました。

 

 ちょっと悪ふざけをしていたら、意外と重症を負ってしまって、難儀をしている。

 

 なかなか痛くて、仕事をするにも歩くにも不自由なのだが、痛みを緩和する方法を編み出した。

 

 精神的なストレスを過度に感じると、自傷行為を行い精神的な痛みを和らげる人がいる。

 

私は既にケガ人なので、仕事中に痛む時は、逆に昔あった嫌なことや、哀しい思い出を思い出し、肉体な痛みを和らげる事に成功した。

 

お陰で痛みも若干、心地良く感じる。

 

世紀の大発明かもしれない。

 

 

長く触れ合っていると、人の感覚は鈍っていくもので、医者は死に鈍感になるらしいし、料理人は食べ残しが気にならなくなるらしい。

 

私もバラが好きで今の仕事をやっているが、首曲がりのバラや明らかに格外のバラは、容赦無しに棄ててしまう。

 

選花作業中に廃棄が出れば、自宅に飾ったり、お使い物にしたり、あまりにも大量に出る時は、近所の病院や老人ホームへ持って行く。

 

しかし、温室で咲きすぎや曲がって小脇に咲いているバラを発見すると、頭をもぎ取って、カーゴパンツのポケットの中へ押し込む。

 

仕事を始めた当初は、それらもうちへ持ち帰り、水に浮かべて飾ったものだが、今やゴミ箱やその辺に捨てている。

 

仕事に慣れてしまって、純朴だった田舎の少年は、優しい心を失ってしまったようだ。

 

たまに自らの仕事を省みることも必要だと感じた。

 

失ったものもあるが、新たな発見もある。

 

私自身は、超ド級のSだと思っていたのに、めくれた足の親指の爪をみるとちょっぴり興奮する。

 

Mも手に入れたようだ。













2010年12月25日(土)

「 君が望むものを 僕は持っていない 


 良く「関東甲信越」と一括りにされる事があるが、どう考えても「真ん中ら辺にあるだけ」という理由で集合体にされてしまっては敵わない。

 

 千葉と新潟では日本の「腹」と「背中」である。

 

 同様に、「農林水産業」と一括りにされている。

 

 コリーン・クラーク氏曰く、「第一次産業」という括りではあるが、なんともざっくりと分類したものだなと、思ってしまう。

 

 同じ分類だと言うのだったら、一言言わせて貰いたい事がある。

 

 「捕鯨」についてである。

 

 日本は、国際的に捕鯨を認められた僅かな国の一つであるが、諸外国からの評判はすこぶる悪い。

 

 別に人様にどうこう言われようが、知ったこっちゃない。と言ってしまえば簡単であるが、反捕鯨団体は「こいつらどんだけ裕福で暇なんだろう?」と思ってしまうほど、ご立腹である。

 

 私も海外で暮らしていた時に、ある青年に「なんで日本人は数の少ない鯨を食べ続けるんだ?」と敵意むき出しに詰問された事がある。

 

 「いやいや、調査捕鯨の結果では、鯨は増えているらしいですぜ。」などと、物腰柔らかく日本の肩を持ってみたが、正直な事を言ってしまえば・・・

 

 どっちでもいい!

 

 今や異常な程の食品廃棄が、問題になっているくらいの「金持ちバカ野郎」の日本において、なんで廃れた食文化の為に、今なお鯨とイルカを取り続けているのか?

 

 他に食う物いっぱいあんだろ?

 公共事業に負んぶに抱っこの建設業でもあるまいし、その技術と信念を違う事に使ってみては如何であろうか?

 

 しかしまぁ、全てにおいて、自分が正しいと勘違いしている欧米列国の言いなりになるのも、いささか癇(かん)に障る。

 

 だから、こういうのはどうであろう?

 

 「日本人は鯨を食わない。」

 

ついでに「中国人は猿と犬を食わない。」

 

その代わり「欧米は七面鳥を食うな!」

 

まぁまぁ皆様そんなに「目くじら」立てずに、Merry Chrisutmas



2010年12月14日(火)

「 晴耕雨読 “壬生義士伝” 


 再三再四書いているので、何度も読んでいる方は、いい加減「目が酸っぱくなる」かもしれないが、バラ農家に休日はない。

 

 故に、日が暮れてから眠りにつくまでが余暇である。

 

 貧乏性な私は、その余暇に何かをしなくては、人生の貴重な瞬間を無駄にしたような気がしてならない。

 

 その貴重な余暇の有効活用の一つに、読書がある。

 

 文字さえ読めれば、何時如何なる場所でも、別世界へ踏み込む事が出来る「ドラえもんグッズ」にも似た「本」が好きで、しばしば町の図書館に赴いて物色したり、出先で文庫を手に入れたりする。

 

 今後「晴耕雨読」と称して、私の読んだ面白かった本を紹介させて頂きたい。

 

 第一回は、私のバイブルにも近い浅田次郎作「壬生義士伝」。

 

 時は幕末、貧しい下級武士の「吉村貫一郎」が、家族に仕送りをする為に、故郷を捨て、維新で血煙る京都の「新撰組」に入隊する。

 

 守銭奴と隊員たちに馬鹿にされながらも、遠く離れた家族をひたすらに愛し、その強さ、優しさで次第に仲間に愛されていく。

 

 ストーリー自体は、大阪で自刃の最後を迎えた彼を、懐かしむ明治維新後の人々の語りによって、進められる。

 

 目まぐるしく変動する幕末にあって、家族を愛し、仲間を大切にし、「義」の為に命をかける真の武士の姿。

 

 現代社会においても充分通用する「武士道」の世界に、嗚咽せざるを得ない。

 

 家族を持つサラリーマンに、是非読んで頂きたい一冊だ。

 

 有っても無くても人生に支障はないが、有ればすこぶる人生が華やぐ。

 

 それは「本」も「花」も一緒ではないだろうか?

 

 私の新撰組&幕末好きは、この一冊から始まってしまった。




2010年12月10日(金)

「 Irony 


 私は酒飲みであるが、気の弱いウワバミで、人を飲みに誘えない。

 

 「飲みに行きたい」と思っていても、友人に電話して断られてしまうと、絶望の淵に立たされるからである。

 

 なので比較的引き篭もっている事が多く、根暗なところがある。

 

 根暗野郎だが、たまに見る映画はさっぱりしたものが好きである。

 

 ハリウッド系の映画は単純明快で大好きである。

 

 悪党がいて主人公がいて紆余曲折あって勝つ!

 

 仲間が何人かいて、目標があり、紆余曲折あって達成する!

 

 逆にヨーロッパ、特にフランス映画は、何でこんなに湿った感じの薄暗い映画が多いんだろうと思ってしまう。

 

 画面も黒の色使いが多くて、梅雨時期のようだ。

 

 信州はいよいよ冬となり、暖房器具が温室にも家屋にも、せっせとカロリーを消費している。

 

 最近は、バラの出荷量は減少気味なので、選花や出荷作業は短時間で済んでしまうため、家の仕事やバラ用冷蔵庫の掃除をしていた。

 

 すると昼休みに、昼食を取りに帰ってきた父の軽トラックに、山済みになったロックウールが・・・。

 

 もしや・・・と思って見に行くとロマキュリがあっさり抜かれていた。

 

 翌日、出荷を終え温室に入ると、既に定植も終了していた。

 

 少量であるし、ロックウールの水耕栽培は改植作業が簡単だが、たった一人で何も言わず、とっとと植え替えを終えてしまった。

 

 そんなわけで、毎年感じる「罪悪感」と「寂しさ」をはさみに込め、株を切ることもなく済んだ。

 

 あっけなく訪れた別れに、「ぽつん」。

 

 それはそれで何やら、湿った気分になる。

 

 これ以上、根暗になってしまって大丈夫であろうか?

 

 苔が生えそうだ。













2010年12月3日(金)

「 君が好きでいてくれたから 僕は強くなれた 










 我が家の祖父は、今もお達者な89歳であるが、残念ながら頭頂部に毛髪は無い。

 

 ハゲていた方が、かわららしい老人に見えるのでいいが、実はすね毛も無い。

 

 とどのつまり毛が薄いという訳だ。

 

 堀木の血を色濃く引く私も体毛は少なく、伸ばしているのに全然ヒゲが伸びない。

 

 

 来年の7月、自信をもって発表できるオリジナルのバラができた。

 

 花保ちは抜群だが、そんな事より色目に注目して頂きたい。

 

 彼女の色の変化は目まぐるしい。

 

 文章で説明することなど不可能なので、画像をご覧になって頂きたい。

 

 花名は「ラストナイト オン アース」。

 

 思春期の男子は、必ず一度はハマるパンクバンド「Green Day」の隠れた名曲から頂戴した。

 

 「地球最後の夜に」と題されたラヴソングは、「僕の全ての愛を、君に送るよ」と歌っている。

 

 もし、本当に地球最後の夜が来たら、誰に会いたいですか?

 

 すぐ近くの人、遠く離れている人、ふと、あなたの脳裏に浮かんだ人に送って頂きたい。

 

 「music」のページにリンクを貼っておくので、曲を聴いてみて欲しい。

 

 きっとバラと曲がリンクするだろう。

 

 私同様に彼女の事が好きになって、気軽に「アース」と読んで頂きたいものだ。

 

 この前、先輩が私のヒゲを見て、「オバQアゴ」と罵(ののし)られた。

 

 年上相手に激昂した私であったが、的を射ている。

 

 ヒゲが長く伸びない分、想いのたけを花名に込めると長い名前になってしまう。

 

 長いご愛顧を。



2010年11月30日(火)

「 エビングハウスの忘却 


 地球上の生物で、もっとも進化した脳を持つ人類は、300億の脳細胞を有している。

 

 そうであっても、次々に、忘れていってしまうのは何故だろう。

 

 私など、他人の事などすぐ忘れてしまう。

 

 一回一緒に飲んでみても、名前も全く覚えないし、顔も忘れてしまう。

 

 以前、友人と中学の時の「クラスメイトの名前思い出しゲーム」をやっていたら、完膚なきまでに叩きのめされてしまった。

 

 しかも、彼は私と別のクラスで、私のクラスメイトで勝負したのにもかかわらず。

 

 先日、またもや世田谷市場で会議があった。

 

 どうせ上京するならと、前日入りして、普段なかなか足を運ぶ事の出来ないお花屋さんに、会いに行こうと思った。

 

 今回のターゲットは「プアラニ」さんである。

 

 茨城県つくば市に本店を構えるハイセンスなお花屋さんで、25ansウェディングなどの誌面でも良く目にする。

 

 実は、数年前に「池袋西武本店」で、「花時間」主催のイベントがあり、我が家も出展したのだが、その際にお世話になった。

 

 それ以降も懇意にして頂いて、我が家のバラを可愛がって頂いている。

 

 ちょっと日本の都市とは思えないつくば市に佇(たたず)むカッコイイお店。

 

 長居して話を伺ってみると、トップデザイナーの塚田さんをはじめ、スタッフの方も一番のお気に入りのバラは、我が家のオリジナルだと言って頂いた。

 

 ほんとにぃ~?仕組まれてるんじゃないのぉ~?

 

 と隅々まで店内を見回しても隠しカメラの所在をつかめず、にやけ面。

 

 その後も、お花大好きオーラを放つスタッフの方ともお話をして、閉店まで勉強させて頂いた。

 

 人は経験した事を、一時間も経つと56%も忘れてしまうらしい。

 

 長居してしまったせいか、写真を撮るのを全く忘れてしまった。

 

 人の脳は忘れる様に設計されているのだから仕方ないな。

 

 どんな失敗をしても自分を慰める事だけは、絶対に忘れないものだ。














2010年11月23日(火)

「 伝えたい事 












 先日、町の駅伝大会があり、消防団の仲間で5チーム出場した。

 

私自体はそこそこ好成績であったが、結果だけを見てしまうと、惨憺(さんたん)たるものであった。

 

 こんな体力で非常の際に町を守れるのだろうか?と疑問符が浮かんだが、チームワークを高めるには、いい催し物であった。

 

 まぁ、消防団の制服で「火の用心」の旗を持って走ったのだから、防災意識の向上には繋がっただろう。

 

 一人当たり1520分走った程度なのだが、その後、仲間皆で昼から12時間近く飲んでいた。

 

 「走り」と「宴」とどちらがメインか分かったものではないが、仲間と飲んでいるとついつい長居してしまう。

 

 

 「パセオ」という世田谷花き事業協同組合(お花屋さんの組合)が、発行している小冊子がある。

 

 篤農家や素敵なお花屋さんの紹介やイベントや市場のお知らせ、お花屋さんのコラムなどが掲載されていて、読み応えのある内容である。

 

 9月に世田谷花き研究会(生産者の組合)で行った、北海道研修視察会の記事を書いて欲しいと依頼があった。

 

 事前に話は来ていたのだが、依頼が118日、締め切りが11日って・・・。

 

 無駄に何年もブログを書いていたのが役に立って、構想半日、執筆30分で出来上がった。

 

 ところが、実際書いてみると400字指定であったのに、うっかり900字も書いてしまった。

 

 駄文ではあるが、自ら生み出した文章にハサミを入れることは出来ずに、編集は丸投げした。

 

 今後、どう半分以上加工されて、掲載されるか楽しみである。

 

 あまりにもバッサリいかれたら、もう二度と書かないけどね(^o^)丿!!

 

 飲み会も話も文章も、取り留めなくだらだらと続けてしまう。

 

 三十路に慣れてきた私はおっさん街道爆進中!

 

 おしっこの切れはまだ良いです!




2010年11月17日(水)

「 Just  Love it 


 人の欲に終わりなどなく、私は歳を取れば取るほど、欲しいものが増えていく。

 

 様々な「才能」を求めたが、そういった類のものは与えられる事はなかったので、ついつい物欲に走ってしまう。

 

 「アレが欲しい。これが欲しい。」と口に出すのは、品位に欠けるであろうか?

 

 信州の秋は、山の上からグラデーションでやってくる。

 

 深い青緑色の山が、山頂から紅葉に染まって、それが人里にも迫ってくると、既に頂には雪を冠している。

 

 天気の悪い日などは日中でも一桁の気温。

 

 温室はしっかり冬支度で、温湯ボイラー、温風機、ヒートポンプ、炭酸ガス発生装置がバラを暖める。

 

 12月に入れば、怒涛の選定作業が始まるので、予め報告しておきたい。

 

 今年は、土耕で生産している品種については、全て剪定休眠させて頂きます。

 

 また、一部植え替えにつき、水耕栽培品種も減少する見込みです。

 

 詳しくは「NEWS」のページに掲載させて頂きます。

 

 剪定休眠になっている品種が、土耕栽培なので、そういった意味でもご覧になって下さい。

 

 剪定と植え替えが終われば、後はじんわりバラの生長を待つだけ。

 

 暇になれば、人は妄想し、また物欲が高まる。

 

 欲しいものは、無条件に欲しいのだ。

 

 ああ、エレキギターとアンプが欲しい。

 

 ああ、薪(まき)と薪割り斧が欲しい。

 

 ああ、新しいスノーボードとウェアが欲しい。

 

 いい子にしていても、おっさんにサンタクロースはやって来そうにない。










2010年11月11日(木)

「 獏(ばく) 















 夢と現(うつつ)の境界線はどこに存在するのであろうか?

 

 仮に、朝が来る事で、目が覚めて夢の終焉を迎えれば、今まで見ていたものは夢と確信できる。

 

 そうであっても、現実自体も何をもって現実としてなしえているかと言ってしまえば、それは自分自身が、自分の脳が「現実である」と知覚しているだけに過ぎない。

 

 つまりは、現実世界で感じている五感の全ては、脳がそう認識しているだけで、本当にそうであるかは真実の所わからない。

 

 2人の人間が、初めて同じものを食べても、味覚を感じる脳が別である為に、その評価は大きく分かれるところであろう。

 

 

 最近話題の「TPP」を皆さんご存知であろうか?

 

 「環太平洋戦略的経済連携協定」で、日本の農業は揺らいでいる。

 

 関税を廃止して、加盟国同士の自由貿易を進めようという経済協定であるが、これまで鎖国同然に守られてきた農家は、安価な輸入農産物が大量に入ってくれば、食っていけないという。

 

 食料自給率の少ない日本が、これ以上農家を失い食料飢饉が訪れれば、最悪の事態を招いてしまうと警鐘を鳴らしている。

 

しかし、花農家から見れば、食い物農家は優しすぎ・・いや、甘すぎる。

 

花業界はもう何年も昔から、輸入品は横行しているし、実際需要期は輸入花卉なくしては、お花屋さんが困ってしまう。

 

それに、不必要な時はゴミの様に切り捨てられるのだから、手塩にかけて温情を与えなくてはならない国内生産者と違って、取り扱いも楽である。

 

正直、政府におんぶに抱っこでやっていて、今後50年農業で稼げるのかね?

 

国情を、真摯に考えている農家の方々には申し訳ないが、国産の食い物を大事にしない消費者など、飢え死にさせてしまえばいいのだ。

 

本当に大切なものは、自ずと残るものだと私は信じている。

 

などと深夜のニュース番組を見ながら、持論を妄想し酒を飲む。

 

ほろ酔いで床に就くと、車をぶつけたり、仕事でミスしたり、喧嘩したり、崖から落ちたりと、ろくな夢を見れずに、早朝しばしば目を覚ます。

 

現実は面倒臭い事ばかりなんだから、せめて良い夢見せろよ!



2010年11月9日(火)

「 cross road 


 「我慢」とは、辛抱する事、耐え忍ぶ事という意味の言葉である。

 

 しかし、語源を調べてみると、仏教の「七慢」の一つで、思い上がりを戒める教えであることがわかった。

 

 本来は、自分に執着する慢心を意味するらしい。

 

 つまりは、我を通したいが為に、おごり高ぶっている様子が、「我慢」ということになる。

 

 先日、いつもご贔屓(ひいき)頂いている中卸の「プランツパートナー」から、早朝電話があり、表日が終わり次第、バラを取りに長野に行きたいが、本数はあるか。との事だった。

 

 まさか、バラ30本の為に、東京から片道3時間の往復をしないだろうと、冗談交じりでいたが、どうやら本気らしい。

 

 我が家は、目と鼻の先にヤマト運輸の営業所があるので、一番遅くて午後7時に持ち込めば、翌日午前中には、東京に着く。

 

「営業所止め」にして、荷を取りに向かって頂ければ、午前8時過ぎには手に入る。

 

その事もお伝えしたが、どうやらそれでは遅いらしい。

 

運良く、本数が揃えられたので、連絡を待っていると、東京出発が午後8時過ぎになるという。

 

 往復6時間後では、東京到着は深夜3時になってしまう。

 

 少しでも協力しようと思い、最寄りのインターチェンジに届けることにした。

 

 晩酌を控え、余暇を楽しんでいると、時折、現状報告のメールが入り、松川到着は23時半くらいであった。

 

 颯爽と車から降りたのは、これまたお得様の「アルママルソー」の秋山さんとちょっぴり死にそうな顔をしている「プランツパートナー」店長の山下さん。

 

「アブラハムダービー」を、30本を渡し小話をして、お土産までもらうと東京へとんぼ返りだ。

 

 なんとも大変だなぁ。と頭が下がる。

 

 自宅へ帰ると日付は替わっていたが、寝酒にホットウィスキーをベッドでちびちび舐める。

 

 「いやー我慢した分、染み渡るねぇ」と思ったが、「我慢」を「する」って事は、「ごう慢」に「なる」って意味じゃないのか?と考える。

 

 つまりは、「我慢しない」って事が、堪えていることになると、普段使っている意味とは逆になる。

 

 う~~~ん。よくわからんで寝よ。



















2010年11月2日(火)

「 君に届け 













 最近は、暇さえあればギターを弾いている。

 

 暇がなくても時間を作って弾いているので、もう私の履歴書の趣味の欄に「ギター演奏」を入れてもいいだろうか?

 

 ギターばかり弾いているので、たまに我に帰ってせっせと友達と飲みに行く。

 

 先日、かなりご機嫌で飲んだ為に、お約束の二日酔いになり、箱詰めを終えると頭痛を抱えて、速攻でコンビニ向かった。

 

 具合が悪い時は、必ずその時、体に必要なものが、直感でわかる。

 

 その日は何故か、オレンジジュースが飲みたくてたまらなかった。

 

 私が手に取ったのは、「ポンジュース」のペットボトル。

 

 温州みかんのつぶつぶが、何やら懐かしくて、みかん味が濃厚で美味い。

 

 しかし、このジュース、350mlの細身のペットボトルのくせに、価格は178円とお高い。

 

 一口飲んでは、フタを閉じ、ボトルを振ってみかんを浮遊させながら考えた。

 

 我が家のバラも「ポンジュース」の様にしたいものだ。

 

 「ちょっとだけ贅沢がしたい。」「本格的を楽しみたい。」「量より質。」を求める消費者に買って頂きたいものだ。

 

 別に富裕層ばかりをターゲットにしている今のエセ「セレブブーム」に乗ろうという腹ではない。

 

 自分へのご褒美的な、ほんのちょっとの感謝の気持の様な、ささやかなプレゼントといった、そんな対象に我が家のバラを手にしてもらえれば、本懐である。

 

 その為にも、基本的な品質や花保ちを決して落としてはならない。

 

 178円でだいぶ勉強になった。

 

 二日酔いに負けていられない。

 

 よし!仕事がんばろ!

 

 昼寝終わったら!



2010年10月25日(火)

「 Smoke gets in your eyes 


 外国の方に言わせると、日本人は喜怒哀楽の全てを笑って誤魔化す所があり、感情が掴みづらいという。

 

 島国育ちの私には、それが普通に思えるのだが、確かに海外ドラマや映画を見ていると、彼らは「これでもかっ!」という程、自己表現をしてくる。

 

 何事にも白黒はっきりつけたがる大陸的な考え方では、狭いこの国の中ではいささか面倒臭く、煙たがられてしまう様な気がする。

 

 過日に、世田谷花きバラ研究会と同市場の買参人事業協同組合との共同開催の「新品種検討会」が行われた。

 

 午後2時から栽培施設の新技術の発表に始まり、終了は10時。

 

 かなり長丁場な会だが、そもそも同じ商品を「たすきリレー」の様に繋いでいく、「生産」「流通」「販売」の3つが、同日、同時刻に足並みを合わせるには、致し方ない。

 

 会場には、「アグリジャパン」「今井ナーセリー」「國枝バラ園」「京成バラ園」「後藤バラ園」が、数多くの新旧品種を展示してあって、お花畑の様な光景だ。

 

 バラを入れてある什器の下には、社名と品種名を書いた表があり、生産者とお花屋さんが、気に入った品種にシールを張り、人気投票できるようになっている。

 

 私は自分のセンスにはたいした自信もないので、とにかく貼られているシールと花を観察した。

 

 生産者とお花屋さんのシールの色が分かれているので、それぞれの業者の趣向も見て取れる。

 

 生産者趣向を見てみると、比較的はっきりした色が多く、花弁や茎、葉がしっかりしていて病気に強そうであるのが、見て取れる。

 

 お花屋さんの趣向は、アースカラーや形容しがたい中間色の色身が多く、繊細な色目と繊細な花びらが、お好みの様だ。

 

 「生産」「販売」の立場によって、相反する品種を選んでいる事が、なかなか面白い。

 

 稀に、意見があっている品種があるが、そういう品種は明らかにここ数年のヒット商品になりそうなオーラを放っている。

 

 積極的な生産者は、知り合いの花屋さんを捕まえて、あれこれと質問攻めにし、意見を引き出す。

 

 談笑や意見交換が、絶えることのない有意義な会だと思う。

 

 ただし私は、会場をふらふら。

 

 何やら目まぐるしく増える品種や、浮いては弾けるうたかたの今のバラ業界に、若干の疲労を覚える。

 

 品種名も覚えらんねーし、立ち話も疲れたし・・・。

 

 おっと!こんな事を言っていては、煙たがられてしまう。
















2010年10月21日(木)

「 想いはいつも 










 禅宗の教えに「坐禅」というものがある。

 

 無念無想で呼吸を整え、半眼になって座る姿は、よく目にするが、座っているから「坐禅」であって、「禅」の組み方には様々な方法があるらしい。

 

 また「警策(けいさく)」と呼ばれる板で、背を打たれるシーンもあるが、あれは精神に揺らぎがあったり、姿勢が崩れた時に行われるらしい。

 

 流派によっても多少思想や、やり方が違うらしいが、この場ではそれは掘り下げない。

 

 私などがやれば、なんかそのまま寝てしまいそうで、和尚さんに撲殺されかねない。

 

 何年もブログを書いていると「このネタ書いたかな?」とか「このタイトル使ったかな?」などとも思うのだが、そうそう私のブログを読み返す人もいないだろうから、多少かぶっても構わないだろうと、最近は思う。

 

 「なんかこれ読んだな。」とお思いの時は、「堀木も歳を取って、話を何度も繰り返す年寄り特有の境地に辿り着いたか。」と思って欲しい。

 

 バラ屋の仕事に無くてはならない作業で「脇芽かき」と言うものがある。

 

 本来、バラというのは、なるがままの姿で放っておくと次第に「スプレー」状態になっていく。

 

 そこで「スタンダード」と呼ばれる、茎一本、花一輪の状態に持っていくには、脇から生えてくる芽をむしってしまい、形を整える必要がある。

 

 この作業、割と頻繁に行わなくてはいけないので、面倒くさがる人もいるが、私は大好きである。

 

 脇芽が伸びてくると、ついつい違う仕事を放り出して、整理してしまう。

 

100坪をどのくらいの速さで出来るかと、タイムを測ったりしてしまう。

 

 これも一つの「禅」ではないだろうか?

 

 指先は高速で動かしているが、無心夢中で脇芽を取り、ラジオさえ耳に入らない。

 

 「脇芽かき」をし終え、綺麗に整った畝(うね)を振り返れば、心もスッキリする。

 

 しかし、まだまだ未熟者の私は、「警策」の代わりに携帯電話が「ぴりり」となる。

 

 舌打ちしながら電話に出ても、笑顔で「もしもし」。

 

 裏表があるようでは、まだまだ「悟り」は開けないだろう。



2010年10月17日(日)

「 面影さがして 


 私の外見は、父に良く似ているらしい(正確には3割ほど私がいい男だが)。

 

 「瓜二つ」と言いたい所だが、祖父も似ているので、「瓜三つ」である。

 

 顔は似ているが、内面は母譲りの所も多い。

 

 妹は父に似て、スポーツができたが、私は運動神経がなく、どちらかといえば文系なところが多い。

 

 本や音楽が好きな点や、長身なのは母に似て良かったと思う。

 

 それでも母に似なくて本当に良かったと思うのは、私の母はそんじょそこらの「天然」がかわいく見えるほど「天然素材」で出来ている。

 

 それに比べて、私は普段から研ぎ澄まされた日本刀の様にキレが冴え渡っている。

 

 

 先日の「フェア」の時に(フェアのネタ多すぎか?)、「世田谷花き」で3年間の修行を終えて、愛知に戻り就農する大田君とも一緒に飲んだ。

 

 愛知「ローズマート」の総領である彼は、愛嬌があった為に研修中も多くの人に可愛がられたであろう。

 

 向上心も高いので、これからのバラ業界には大きく寄与する所があるだろうし、同世代のライバルとしては、なかなかどうして脅威も感じざるを得ない。

 

 それでも6年前に都落ちして就農した私が、偉そうに講釈を垂れるとすれば、暫らくは「理想」と「現実」のギャップに苦しむだろう。

 

 東京で学んだ「消費」が主となる考え方から、田舎に根強くはびこる「生産」主体の考え方のどの辺りに妥協点をおくか、それを探す日々を楽しんで欲しいものだ。

 

 私も何度かは、「理想」と「現実」の地割れに挟まれて、不夜城・東京に戻りたくもなった。

 

 職人気質な社長と超天然素材な上司を持つ部下は、なかなか大変なものだ。

 

 しかも、天然素材は剛直な人が多く、更に我が家の天然素材は「B型」の為に「マイペース」というオプション加工になっている。

 

「思い~こんだ~ら、試練の道~を~」と「巨人の星」のテーマ曲が、聞こえてきそうになる。

 

 本当に、本当に「B型」じゃなくて良かった。ごめん「B型」! でもホントよかったぁ~!

 


















2010年10月13日(水)

「 バカなんです。 
























 私は頑固者であるが、普段はなるべく柔軟に広い視野を持ち、良い意見であれば老若男女問わず、頭を下げてでも教えを請いたいと思っている。

 

 所詮、偉そうに能書きを垂れても、高々一回30年間生きているだけで、経験はすこぶる乏しいものだ。

 

 なんて事を言ってみても、怠け者で、出来れば楽して儲けたいなどという腹もある。

 

 こんな私だが、ある「スイッチ」が入ると、極度に頑固になり、テコでも他人の意見に耳を貸さず、目的の為に歩みを止めず、苦痛さえ楽しくなってしまうことがある。

 

 それは「限界」を迎えた時だ。

 

 「限界」を迎え、腹をくくらなければならなくなった時の私は、「スーパーマリオ」が「スター」を取った時のように、ある意味無敵になってしまう。

 

 先日も「堀木園芸フェア」の時に、えらく話の長い仙人に捕まってしまった。

 

 彼は、自らの過去の栄光や趣味の話、これからの花き業界について、私の興味の無さなど意にも返さず、とうとうと語りだした。

 

 長話で有名な仙人に捕まってしまった私は、周りの人に視線を送り、助けを求めたが、どいつもこいつもデクの坊ばかりで役に立たない。

 

 しかも、仙人は徐々に徐々に接近してくる為、あらぬ方向へ私は押し流されてしまっている。

 

 あまりにも長く退屈な話を、ゴリ押ししてくるので、次第にウザくなってきたのだが、途中から「スイッチ」が入ってしまった。

 

 まずは、とりあえず聞き流しとこうと思った話に、喰い付いて反論して、今度はこちら側から近寄って言った。

 

 胸の前に組んだ腕の肘が当たり、唾が飛んできても、私は前に出た。

 

 すると仙人は、次第に後ずさり、最終的に話を切り上げ帰っていった。

 

 私の勝ちである。

 

 その後の「フェア」の打ち上げで、「ウィズ」の松永君と昼から夜10時位まで飲んでいた。

 

 彼と別れ、ホテルへ向かって歩いていると、さっぱりホテルの場所が分からない。

 

 携帯を駆使して地図を出しても、現在地が分からず、それどころか途中で携帯の電源が落ちてしまった。

 

 僅かに残る地図の記憶と、ホテルの名前だけを頼りに、深夜の街を徘徊していると「スイッチ」が入ってしまった。

 

 絶対にタクシーに乗らない。人に道を聞いてなるものか、コンビニなども入らない。

 

 そう腹をくくって電車で5分の道のりを、迷い迷って1時間半後に到着。

 

 これまた私の勝ちである。

 

 失った時間など関係ない。

 

 私が決めた事は、絶対に曲げない。止めない。

 

 よく仕事中でも「スイッチ」が入ってしまって、この前など・・・・。

 

 おっと!また「スイッチ」が入ってしまいそうなので、今回はこの辺で。



2010年10月7日(木)

「 深海 


 稲作が日本で始まったのは、縄文時代だということは誰もが知っている事である。

 

 約6000年前に日本人は、狩猟民族から足を洗ってしまった。

 

 毎年、安定してお米が手に入り、ご飯ジャーを開ければ、ほかほかごはんが食べられるのは、大変幸せな事だが、本当にそれでいいのだろうか?

 

 

 10月1日(金)に世田谷花き市場内の中卸「ウィズ」において、毎年の恒例行事となりつつある「堀木園芸フェア」が開催された。

 

 「ウィズ」に出荷した我が家のバラを、私自らが店頭に並べ、販売しながらお花屋さんと交流を深め、情報交換をする。

 

 「ウィズ」では、我が家だけではなく、季節にあった花の生産者を招待して、しばしば「フェア」を行っている。

 

 シンプルかつ大胆な企画だが、どの企業でもなかなか真似できない。

 

 旧知のお花屋さんなど、我が家のフェアだと知ると、いつもより早く市場に来てくれる。

 

 久しぶりに会えるので、私もつい笑顔になって色々話してしまう。

 

 店頭売りの準備を5時には終えると、早くも20人ほどのレジ待ちが列を成している。

 

 私も昨年の経験から、品種選定、並べ方、売り方を考慮し、良い日柄を選んだのもあいまって、1010分に1600本のバラが完売した。

 

 「忙しい表日だったので、あまりお花屋さんと話ができなかったでしょう?」と「ウィズ」の代表の松橋さんが心配してくれたが、全くそんな事はない。

 

 常に、警戒をしていなければならない野生動物でも、完全に警戒心を緩めている時がある。

 

 それは「エモノ」を狙っている時だ。

 

 獲物を捕獲する為に、意識を集中している為、逆に獲物にされてしまっている事に気付けない。

 

 つまり我が家のバラを手に取っている時につぶやく一言、一動作を漏らすことなく私は観察している。

 

 いいバラを作り、お花屋さんを魅了し、そのバラに誘われている内に、次のいいバラへのアイディアや工夫を奪う。

 

 名付けて「ちょうちんアンコウ作戦」。

 

 来年も開催されると思いますので、信州アンコウの鋭い牙には充分ご注意を。














2010年10月3日(日)

「 夜明け前 


 「焼肉」とは、とても恐ろしい食べ物なのだという事を、皆さんはご存知であろうか?

 

 焼肉のメイン食材である「牛肉」には「セロトニン」という物質が含まれている。

 

 「セロトニン」は「ハッピーホルモン」と呼ばれていて、抗うつ効果があるという。

 

 確かに、焼肉食いながら怒っている人など見たことがない。

 

 また、男性を落とすテクニックの一つとして「ハートより胃袋を掴め」と言われる。

 

 美味しいものを食べていて幸せな時に、必ず同一人物が関与していると、人はその人物の影響で幸せなのだと思い込んでしまう。

 

 つまりは「焼肉」を一緒に食べれば、人は仲良くなり、男女であれば恋に落ちてしまう。

 

 

 我が家の念願であった品種が、いよいよ完成した。

 

 あるお花屋さんの一言から始まり、栽培に辿り着くまで、何年経ったであろう?

 

 「ロゼット咲きで、香りがあって、花もちのいいクリームバラ」

 

 そんな都合のいいバラがあってなるものか!と当時は思ったものだ。

 

 初めて彼女を見た時は、思わず二度見をしてしまった。

 

 その後、私の目に狂いがないか、何度も確認をとった。

 

 何度確認しても「やっぱりかわいい!」とでれっとしてしまう。

 

 花弁数は少なめだが肉厚な花びら、花芯部につれクリームがかかり、ほのかに薫り、あくまでも緩やかに大きく開花する。

 

 花名は「カスタードパイ」。

 

 天使の歌声を持つ日本人歌手「Predawn」の楽曲「Custard Pie」をオマージュさせて頂いた。

 

 品種特性は近日中に、「オリジナル品種」ページに掲載するので、ご覧になって頂きたい。

 

 彼女を見て「ほうっ」とため息をついて、美味しいものを食べた時みたいに、幸せな気持ちを噛みしめて欲しいものだ。

 

 私が好意を抱いている人の事を思い返してみると、大抵一緒に焼肉を食べた事がある。

 

 それも何回も・・・・。

 

 もしかしたら「焼肉」に踊らされているだけなのだろうか?

 

 いや!踊らされていたとしても焼肉が食べたい!





2010年9月26日(日)

「 秋月を 隠す雷雲 いななけば 会えぬ今宵の なお寂しけり 








ワンダーウォール&バイアモーメント

 秋分の日を過ぎて、いよいよ季節は秋味が濃くなる。

 

 信州の暑すぎる残暑もさっさと店じまいしてしまい、今となって少し寂しい気すらするが、何をやるにもいい季節になってきた。

 

 我が家の温室では、「夜間冷房」をやめたと思えば、すぐに暖房を始めた。

 

 温室の屋根や外装の補修も着々と進め、2重カーテンも新調した。

 

 先日などは、温度計を見てみれば「14℃」。

 

 最早、Tシャツでは仕事が出来ない。

 

 つい先日まで、激アツの毎日だったのに、「女心と秋の空」とはよく言ったものだ、ツンデレにも(この場合「デレツン」か?)程がある。

 

 私の様な朴念仁では、「女心」も「秋の天候」も理解しがたいものだ。

 

 今年は、酷暑の影響で、バラたちはみんな「ちびっ子」だったが、ようやく花冠も大きく、丈も少しずつ伸びてきた。

 

 9月も下旬になり、暖地のバラも増えてくるだろうが、今しばらく我が家のバラにもお付き合い頂きたいものだ。

 

 「オリエンタルキュリオーサ」「ワンダーウォール」「バイアモーメント」「オレンジジュース!」「ジプシーキュリオーサ」と秋色のバラを取り揃えておりますので。

 

 「食欲の秋」「スポーツの秋」など、何かにつけて秋は万象楽しむには、いい季節だ。

 

 私は通年行事として酒を嗜み、ひたすら読書に耽る。

 

 薄暗い所で読んでいるので、目が疲れるのか、ここ数週間「右下まぶた」の痙攣が治らない。

 

 この前など、就寝中にも痙攣している事に、寝ながら気付いてしまった。

 

 あ~あ~。かわいい寝顔が台無しである。



2010年9月23日(木)

「 Butterfly  Effect 


 信州の山奥で育ったせいだろうか?

 

 私はやはり自然が好きで、植物や動物が大好きだ。

 

 親指を喰いちぎられたいとは思わないが、たくさん動物を飼ってみたいなぁとも思う。

 

 とりあえずは、温室や自宅周辺を「黒毛和牛」とも「黒豹」とも呼べるヤツがウロウロしているので、今の所は我慢しているが、将来はたくさん動物を飼いたい。

 

 最近などは、カメレオンが欲しくてたまらない。

 

 漂々としていても周りの風景に敏感で、それでいて素早く確実に獲物を捕らえる姿は、まるで自分を見ている様だ。

 

 温室の中でも、蝶々を追いかける私がよくいる。

 

 さすが「メルヘンチック!」と思われがちだが、とんでもない。

 

 「タバコ蛾」「夜盗蛾」「モンシロ・モンキチョウ」「バッタ」「コガネムシ」とバラの天敵を温室で発見しては、捕殺する為、追い掛け回しているのだ。

 

 奴ら自体は大した被害はないが、奴らは馬鹿なんじゃないかと思うくらい卵を産みつける。

 

 それが孵化したものなら、「あれよあれよ」と全てを食い尽くされてしまう。

 

 もちろん「殺卵剤」と呼ばれる農薬もあるのだが、生命の源である卵を殺すということは、簡単ではない。

 

 そもそも卵は、種の保存の為にあるのだから、基本あらゆる外的から身を守るように頑丈にできているし、悪条件下で産まれた命には抵抗や抗体がつくことが多い。

 

 つまりは、子を殺すより親殺しの方が楽なのである。

 

 ますますカメレオンを我が家に導入する事が、急務となってくる。

 

 温室につがいで飼って、たまに来たお花屋さんが奇声を上げれば、それはそれで面白い。

 

 できれば無駄な殺生はしたくないので、虫たちにこの温室には「私」という天敵がいることに気付いて貰いたいものだ。

 

 自然を愛する私は、天然の植物にも動物にも虫にも優しい。

 

 ただ天然の人間には容赦しない。特に男!!







ザ・プリンス&イントゥリーグ




2010年9月21日(火)

「 永遠なのか本当か 




イリオス!



オリエンタルキュリオーサ






 私より年かさの人にすれば、三十路など通過点にしか過ぎないだろうが、ここ数年で思うことがある。

 

 私はとても頑固者になってきているということだ。

 

 十代の頃は、「他人に自分の事をわかって欲しい」と思っていた。20代になり「極一部の人に自分のことを理解して欲しい」と思うようになった。

 

 うっかり30歳になってみると「そう簡単にわかられてたまるか!」と日々思っている。

 

 しかも困った事にそんなひねくれている自分が「Rockだ!」「粋だ!」などと勘違いしているから、性質が悪い。

 

 先日、残業をしまくり、食事も休憩も取らずせっせと働いて時間を割き、ライブに行ってきた。

 

 私が思う、日本で一番疾走感のあるロックバンドの「アジアン・カンフー・ジェネレーション」である。

 

オールスタンディングの会場で、チケットはSold out

 

 入場前に整理番号順で並んでいると、何やら黒髪が多い。

 

 今時「ロック=金髪」でもないが、よく周囲を見渡せば、中高生ばかりで、男子はニキビ面、女子は不慣れな薄化粧と太眉。

 

 何やら「オタク」臭いやつらが多い。

 

 どうやら「アジカン」のファンは、鬱屈(うっくつ)した十代が多いようだ。

 

 停滞して濁った日常の中にこそ、「アジカン」の音楽は映える。

 

 その中にたたずむ、おっさん一人。

 

 私はニヤニヤ会場前で人間ウォッチングをしていて、いい気分になった。

 

 私も歳を食っただけで、中身はまだまだ彼らと同じ「鬱屈ロック野郎」なのだ。

 

 この劣等感が爆発すれば、大物になれる気がする。偏った大物に。

 

 最高の時間を頂戴して、全身汗でびしょびしょ。

 

 あまりの脱水症状に、会場外でコーラ2杯とサイダーをがぶ飲み。

 

 翌朝目が覚めると、顔も背中も吹き出物だらけ・・・。

 

 ああ、青春の代償か・・・。




2010年9月14日(火)

「 最後は笑顔で 


 人間は誰しも「見栄っ張り」ではないだろうか?

 

 いくら孤高と独歩を気取っていても、他人の目が気にならないわけはない。

 

 私の様な小心者はなおの事、人の目が気になる。

 

 「カッコ良く見せたい」「いい人と思わせたい」「傑物だと思われたい」と日々中身のない自分自身を、風船のようにパンパンに膨らませている。

 

 

 かなりマニアックな方でないと、お忘れになっているかもしれないが、我が家では未だに「ロマンティックキュリオーサ」を栽培している。

 

 花もちの良さと香水の様な香り、甘い色合いがとてもかわいいこの品種が我が家に来て、早8年が経過した。

 

 私自身もとても好きな花で、ロゼットに開花した肉厚の花弁と、花芯部に到るにつれクリームが濃くなっていく姿はとてもいとおしい。

 

 しかし、水耕栽培で8年も経ってしまえば、樹勢は著しく落ちるし、近年では然程注文も入らず、セリ場を賑わす程度になってきた。

 

 最早、関東エリアに出荷している生産者は、何年も前から我が家だけになり、銘花を作り続けるという責務も感じていたが、今年で打ち切る事にした。

 

 父に言わせれば、ウドンコ病の発症が頻繁でとても大変だったという。

 

 私としても、可憐な花弁と優雅な香りにスリップスが大挙して押し寄せてくる為、散々に苦渋を味合わされた。

 

 それであっても、愛らしい桃色のほっぺに優しいクリーム、近くを通るだけで幸せにしてくれる香りには、何度癒された事であろう。

 

 寂しくはなるが「ありがとう」と「大好きであった事」を彼女に伝えたい。

 

 見栄っ張りの美学を30年間研究していると、見栄っ張りの奥義は「去り際」だと言う事に辿り着く。

 

 電車などでお年寄りが立っていれば、私は即座に席を譲る。

 

 「ニカッ」と笑って、一言だけカッコ良さげな事を言い、絶対に振り返らない。

 

 誰も見ていないだろうに、背中に視線を感じ、己の美しくふくらめた「見栄」に陶酔する。

 

 さぁ、ご老人よ。私の近くへおいで!

ロマンチックキュリオーサ


ロマンチックキュリオーサ


ロマンチックキュリオーサ


ロマンチックキュリオーサ


2010年9月11日(土)

「 Step foot in Ezo  











 視察2日目。

 

 私は花き研のメンバーとは違うホテルだったので、7時半にタクシーに乗って集合場所へ。

 

 昨夜ちょっと遅くまで飲んでいたので、運転手さんともご機嫌で会話をしながら「すすきの」を後にする。

 

 数人寝坊した人もいるが、順調にバスを進め、小輪ひまわりを栽培されている「長岡農園」さんを視察。

 

 5月上旬から10月まで60万本の出荷とは、かなり恐れ入った。

 

 その後、ハイドランジアの生産をされている「尾崎園芸」さんを視察。

 

 あまりにも長い温室の為に、多少大地に合わせてうねっている温室には、北海道の大らかさを感じた。

 

 厳寒の地の北海道で周年バラの栽培をされている「吉田バラ園」さんは、温室を硬質フィルムで2層式にして暖房費を4割削減しているという。

 

 最後に訪れた「やまきダリア園」は、バスから降りた途端、自身の行方を見失うような景色に囲まれた。

 

 まるでヨーロッパのお城の庭園に迷い込んだような風景。

 

 まさに「ホリキ・イン・ワンダーランド」である。

 

 かなりテンションの上がった私は、おっさんの体に少女のような気持ちいっぱいで、ダリアの花園を徘徊した。

 

 あっという間に時は過ぎて、午後4時には千歳空港に向かうことになった。

 

 2日目を終えて、私は確信した。

 

 北海道いい!

 

 ここだけまるで北欧のようだ。

 

 その辺に馬はいるし、家々の屋根はオレンジや水色に塗られていて、可愛らしいし、人々は優しいし、みんな笑顔で人懐っこい。

 

 忙しい中、圃場を見学させて頂いた方々、フローリストいしづか&中卸ブランディアの方、終始ご尽力頂いた「北の純情倶楽部」の皆さん、大変有意義な研修になりました。ホントに行って良かった。

 

 気力も知識も蓄えた私は、ちょっとだけ北海道のパワーを吸い込みピュアになったかもしれない。

 

 明日からは「堀木純情園芸」で頑張ろう!




2010年9月7日(火)

「 Step foot in Ezo  


 9月の3・4日と「世田谷花き市場研究会」の産地見学会が行われた。

 

 今年の視察会場は北海道。

 

 北海道に訪れるのは、学生の時に北海道横断をしてからなので、かれこれ10年振り。

 

 当時、阿寒湖のホテルの仲居さん「ユキちゃん」がかわいかったなぁ。などと気持ち悪い思い出にふけながら、信州松川町からセントレア(中部国際空港)まで1時間50分。

 

 北海道は、熱帯低気圧に襲われて生憎の雨模様だったが、無事に到着。

 

 「北の純情倶楽部」の石尾さんと奥様に駅に迎えに来て頂いた。

 

 その後、遅刻魔の私は(航空券が取れなかったから仕方ないのだ!)研究会のメンバーと合流して視察が始まった。

 

 米・花等々の大規模複合経営をする桂さんの温室を見学させて頂いた。

 

 農業的な事はさて置き、実はこの次点で私は北海道の特異点を見出しつつあったが、それは末筆へ廻すとしよう。

 

 栽培面積の説明が「○○町歩(ヘクタール)」と言われるだけで、北海道の大きさを目の当たり前にしてしまう。

 

 温室一棟も大きければ、温室と温室の間も無駄に思えるぐらい広い。

 

 山の狭間でせせこましく温室を維持している私には「税金の支払いが大変そうだ」というケチ臭くも乏しい発想しか出てこない。

 

 その後、札幌の「ブランディア」という中卸さんを僅かな時間で見学させて頂く。

 

 ちょっとした地方市場のような倉庫にお洒落な台車と内装が特徴的であった。

 

 我が家もご贔屓にして頂いているので、ちょっと感想など頂いてちょっとドキドキ・・。

 

 初日はそんなこんなで既に5時を回ってしまった。

 

 6時きっかりに懇親会スタート!

 

 入れ替わり立ち代りたくさんの方と、花や北海道の魅力について談義していると、時刻は3時半。

 

 「しっかり勉強し、しっかり飲んで交流する」という上條会長のお言葉に従う私は、なんと忠実な男なのだろう。

 

 そして私の北海道に対するある仮定は、ますます確信に迫っていく。









2010年9月4日(土)

「 ひと夏の 


スペンド ァ ライフタイム


スペンド ァ ライフタイム


スペンド ア ライフタイム

 信州の夏は比較的早く過ぎてしまう。

 

 お盆が終わってしまえば、秋口と言っ てもいい様なものだ。

 

 ただ、今年は「残暑」と呼ぶには、残し過ぎなほど暑い。

 

 夜になれば、だいぶ涼しい信州の夏が戻ってきているが、日中はまだまだ日差しが照りつけている。

 

 「酷暑」「残暑」と嘆いているが、夏は「花火」「祭」「海・川・山」「BBQ」と催しは目白押しだ。

 

 少しでも長ければ、楽しみも増えるというものではないだろうか?

 

 例年思うのであるが、8月はバラの価格が安い。

 

 「安い」という事は「お花屋さん側に仕事がない。」と言うことなのだろうが、何やらもったいない気がする。

 

 「円高還元セール」などを最近はよく目にするが、「バラ安還元セール」みたいなものもあっていいと思う。

 

 普段はなかなか買えないバラの豪勢な花束を、安価で購入する事ができるみたいな企画はないものだろうか?

 

 M1・M2層(男性2034歳・3549歳)の花の購買は、ほとんどないのではないだろうか?

 

 お小遣いが少ない旦那さんでも2千円くらい出せば、ずっしりとバラが買える!的なことがあれば、一度も花を奥様に贈ったことがない男性は、女性がどれだけ花を喜んでくれるかを実感できるというものだ。

 

 しかも、小中学生を抱えるお母さん方は、夏休みで子供たちの昼食まで作らされて、大いに疲弊させられているらしい。

 

 こんな時に、旦那様がバラの差し入れなどしてくれたら、夫婦愛も深まり、最終的には少子化対策にもならないだろうか?

 

 我が家のオリジナル「スペンド ライフタイム」は、夏場に花弁がすこぶるフリルがかり、

とてもかわいい。

 

 正直、この時期に「ライフタイム」を使わなくて、いつ使う!とまで思ってしまう。

 

 過ぎ行く夏をまだまだ楽しむことも「残暑!残暑!」と鳴くよりは良かろう。

 

 これからの9月に入りまだまだ暑い日は続くが、暑い残暑にライフタイムはいかがザンショ?


2010年9月2日(木)

「 愛も平和も 


 私は年に2回必ず長期休暇をとる。

 

 長期休暇といっても3日ほどだ。

 

 夏の休暇は必ず「野外音楽フェス」に行く。

 

 私や、いつも一緒に行く友人達の都合もあるので、毎回同じ「フェス」ではないが、もう何年も同じ三人で行っている。

 

 馬鹿でかい会場に超大型のスピーカーと液晶パネルが取り付けられ、有名、無名問わず立ち代りアーティストが登場し、同時に何万人もが踊り歌う。

 

 必ず音楽が流れているその会場で、酒を飲み、屋台で美味いものを買い漁るのだ。

 

 今回の宿泊は、トレーラーハウスだったので、フェスが終われば、宿に戻り、眠くなるまで炭火を囲んではくだらない話に花を咲かせて、眠くなるまで飲んだ。

 

 基本的には、「聞く」「踊る」「飲む」たまに「泳ぐ」くらいしかしていない。

 

 だらだらと怠惰な時間が流れていく。

 

 普段の夜明けと日暮れに追われる生活からは、到底かけ離れている。

 

 ほろ酔いで音楽を聴きながら、友人の笑う顔や、幸せそうな会場の人々を見ると、ここが天国なのかと勘違いするほど、「平和」を感じる。

 

 そして、ふと、心の中で、自分の抜けた穴を埋める為に働いていてくれている家族の事を思うと、その分、家へ帰ったら仕事を頑張ろうと「愛」が湧いてくるのだ。

 

 年に一回、私は「音楽フェス」に来る事によって、「愛と平和」をめいっぱい体に注入できる。

 

 そして、また普段の仕事や生活を、懸命に過ごす事ができるのだ。

 

 「注入」出来たのは、それらだけではない。

 

 三人が3日間で飲んだアルコールの量は、ビール10L以上、ジン、ウォッカ、ウィスキー、白ワインが一瓶ずつ、赤ワイン3L、その他にも屋台で買ったカクテル&ハイボールが数杯ずつ。

 

 来年も私の全細胞に「愛と平和と酒」を染み渡らせる為に、しっかり働きますので、どうぞ皆様我家のバラを買ってください。

 

 そして・・・・金を下さい!!